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夜間大学がある

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第二章

 受験勉強をはじめた、そしてだった。
 大学に合格し昼は働き夜は大学に行った、当然家に帰るのは遅くなり余暇も極端に減った。だがそれでもだった。
 彼は充実した日々を過ごした、それである夜妻にシャワーを浴びてからベッドに入ったところで言った。
「俺何か凄いな」
「どうしたの?」
「凄いものを手に入れているってな」
 その様にというのだ。
「思ってるよ」
「昼はお仕事して夜は勉強して」
「そうしていってな」
「頑張ってるからなのね」
「頑張ってるって言えばな」
 そうすればというのだ。
「そうなるか」
「ええ、頑張ってたらね」 
 それならとだ、妻は隣に寝ている夫に言った。
「それがね」
「凄いものをか」
「手に入れることが出来ることになるよ」
「努力だからか?」
「そうよ、多分資格だけじゃなくて」
 管理職になる為に必要なそれだけでなくというのだ。
「努力でね」
「他のものもか」
「手に入れるわよ」
「そうなるんだな」
「きっとね」
 こう夫に言った、そうしてだった。
 この日はぐっすりと寝て次の日も頑張った、そうした日々を四年過ごし大学を卒業した時には資格と学歴にだった。
 そうしたもの以上のものを手に入れていた、それでだった。
「あの人凄いな」
「仕事出来るな」
「それにしっかりしていて」
「指導力もあって」
「努力家でな」
「一本筋が通っている」
「立派な人だよ」
 職場の若手の者達はこう言って慕ってだった。
 家でも立派な夫それに父親と言われていた、それで妻は言った。
「あの時の努力がね」
「大きいか」
「ええ、努力したらね」
 そうすればというのだ。
「自分を磨いてね」
「立派になれるんだな」
「そうなるのよ」
「そうなんだな」
「ええ、それがね」
 まさにというのだ。
「俺が手に入れたか」
「そうなったのよ」
「成程な」
「それで二人目も出来たし」
「ああ、その子も育てていこうな」
「二人平等にね」  
 夫婦でこうした話もした、そうして宏樹は職場でも家庭でも輝いていた。そうしていい人生を過ごしたのだった。


夜間大学がある   完


                   2024・7・16 
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