八条学園騒動記
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第七百五十九話 連合市民の認識その一
連合市民の認識
セーラはクラスメイト達に話した。
「連合はエウロパを敵視していますね」
「絶対の敵よ」
エイミーは腕を組み即座に答えた。
「それこそね」
「左様ですね」
「もうね」
セーラにさらに話した。
「邪悪そのもので特によ」
「貴族はですね」
「極悪非道で」
そうした存在でというのだ。
「悪いことは何でもしている」
「そう考えられていますね」
「もうね」
それこそというのだ。
「生まれた時からそう教えられていて」
「それも千年の間ですね」
「エウロパのことを語れば」
そうすればというのだ。
「悪ってね」
「決まっていますね」
「この世で唯一の絶対悪とさえね」
その様にというのだ。
「言われてるわ」
「そうですね、ですから」
セーラはエイミーに話した。
「私は真実をお話しているつもりですが」
「信じられないわ」
「左様ですね」
「今聞いていても」
実際にというのだ。
「とてもね」
「そうですね、実はエウロパ側もです」
彼等もというのだ。
「私が連合のことをお話させて頂いても」
「信じないのね」
「数だけが多く優れた技術と豊かさを持っていても」
そうであってもというのだ。
「溺れているだけの衆愚だとです」
「衆愚って何だ」
テンボはその言葉に対して問うた。
「一体」
「絶対に悪い言葉よね」
ジャッキーも言った。
「そうよね」
「それはわかるけれどな」
「簡単に言うと馬鹿ということです」
セーラは二人にわかりやすく話した。
「要するに」
「そういうことか」
「あいつ等あたし達をそう言ってるのね」
「そうです、まさに」
「失礼な奴等だ」
「馬鹿はそっちでしょ」
「ですがそれは違うとです」
セーラは怒る二人に冷静な口調で話した。
「私は常にです」
「エウロパの連中に言っているか」
「そうなのね」
「むしろです」
セーラはさらに話した。
「優れた人達とお話していますが」
「それがか」
「互いに争ってばかりの」
「そのことか」
ダンはセーラの今の話に頷いてから応えた。
「各国政府同士、中央政府と各国政府でな」
「互いに衝突し合っていますね」
「もっと言えば各国の中でもな」
「それぞれで、ですね」
「意見や利害が衝突している」
「常にそうなっていますね」
「そのことは否定しない、連合は衝突の国だ」
ダンは言った。
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