八条学園騒動記
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第七百五十八話 偉いと思えるのはその六
「バトルが売りのシリーズもな」
「あるわね」
「スパイものも推理の一つでな」
「このジャンルの一分野であるのだ。
「スパイは軍隊だからな」
「戦うこともあるわね」
こう言うのだった。
「それも訓練を受けたうえで」
「そうだ、だが入れ墨はな」
「しないわね」
「軍人さんもな」
「連合の軍人さん入れないしね」
このことは中央政府軍だけでなく各国軍でも同じことだ。
「だからね」
「入れ墨をしているスパイはいなくてな」
「探偵さん全体が」
「そんなことはしない」
全くというのだ。
「当然俺達もだ」
「大体ヤクザ屋さんの探偵さんなんていないでしょ」
ジャッキーも言って来た。
「間違っても」
「確かにね」
エイミーも確かにと頷いた。
「もっと言えば犯人でもね」
「いないわね」
「ギャングにしてもマフィアにしてもね」
「学園が舞台だと不良もね」
「犯人にはならないわね」
「そうした連中はあからさまだからな」
ダンが言って来た。
「悪いことをしているとな」
「そうね、もうね」
エイミーも頷いた。
「あからさまにね」
「犯人と思えて」
「推理も何もないな」
「そうよね」
「そうした連中は簡単に疑われて」
ヤクザ屋さんなぞ悪事を為していないと思う方がおかしい、これはこの時代の人類社会でも同じことであるのだ。
「捜査もな」
「受けるわね」
「それも徹底的にな」
「そうよね」
「だから犯人にはほぼならず」
そうしてというのだ。
「また出て来ても雑魚だ」
「探偵さんの邪魔しようとするね」
「それか叩きのめして情報を喋らせる」
「それ位よね」
「そうだな」
「そんな連中になるものか」
テンボは強い声で言い切った。
「俺達はな」
「だから入れ墨は入れないのよ」
ジャッキーも強い声で言った。
「探偵はね」
「俺達も同じだ」
「あの、マウリアでは」
セーラが二人に言ってきた。
「ホームズさんはカーリー女神の信者である場合もありまして」
「あの破壊と殺戮の女神か」
ダンが応えた。
「悪をそうする」
「はい、漆黒の肌と四本か十本の腕を持ち」
「それぞれの武器でだな」
「悪を徹底的に攻撃し」
そうしてというのだ。
「滅ぼします」
「そうした女神様だな」
「骸骨のアクセサリーと人の手のスカートで身を包み」
カーリーのファッションの話もした。
「戦いの血で酔いダンスを踊る」
「気持ちが昂ってか」
「しかも茶目っ気もある」
そうした性格でというのだ。
「素晴らしい女神様です」
「それがカーリー女神だな」
「この偉大な女神様のご加護を受け」
そうしてというのだ。
「ホームズさんは事件を解決するのです」
「頭は使わないのか」
「頭を使い」
それはあるというのだ。
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