| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

新庄剛志は名監督

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第四章

「彼はちゃんと野球をしていたね」
「そうですね」
「何だかんだ言って努力してますし」
「努力を人に見せないだけで」
「ちゃんとしていましたね」
「だから守備がよかったんだ」
 これがというのだ。
「強肩で足も速かったな」
「長打力と勝負強さが有名でしたが」
「確かに守備凄かったですね」
「俊足で抜群の強肩で」
「いいセンターでしたね」
「守備は練習だ」
 広岡は看破して言い切った。
「練習していないとだ」
「上達しないですね」
「バッティングもですが」
「守備は特にですね」
「練習していないと上達していないですね」
「守備がいいチームはよく練習しているチームだ」
 広岡はこうも言った。
「現に日本ハムはよく練習する様になったからな」
「守備がよくなった」
「前シーズンよりも」
「そうなっていますね」
「そしてだよ」
 それでというのだ。
「新庄君も同じだったんだ」
「一見練習していない様で」
「いつも遊んでいる様で」
「実は違った」
「練習していたんですね」
「そうだったんだ、彼は努力していて」
 その実はというのだ。
「それで野球自体もだよ」
「わかっているんですね」
「それで監督もやっている」
「そうなんだね」
「そうだ、しかしだ」 
 広岡はそれでもと話した。
「彼は私の予想以上だった」
「いい監督ですか」
「名将ですか」
「そうですか」
「そうだ、若手を起用して育て」
 そうしてというのだ。
「チームの戦力を上げ采配もいい」
「名将ですね」
「そう言うべきですね」
「最早」
「しかもあの性格だ」
 新庄のこのことも話した。
「明るいな」
「嫌味さが全くないです」
「腹は奇麗です」
「責任はちゃんと取りますし言い訳けもしません」
「しかも公平です」
「性格もいいですね」
「だから尚更だ、性格は私はな」
 広岡は笑って自分のそちらの話もした。
「どうもな」
「いや、広岡さんそれは言わないことですよ」
「ご自身のことは」
「こうした時は」
「そうしましょう」
「ははは、そう言ってくれるか」
 広岡は周りの言葉に笑って返した。
「それでは言わないことにしよう」
「はい、それでですね」
「新庄さん性格もですね」
「そちらもいいですね」
「だからですね」
「いいんだよ」 
 チームにとってというのだ。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧