金木犀の許嫁
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第二十三話 里帰りその十三
「食べられないので」
「日本に戻って」
「すぐにたこ焼きを食べて」
そうしてというのだ。
「ほっとしました」
「ほっとですか」
「はい」
まさにというのだ。
「そうなりました」
「そうでしたか」
「そして」
幸雄は真昼にさらに話した。
「今は普通に他の蛸料理もです」
「召し上がられていますか」
「そうしています」
こう言うのだった。
「美味しく」
「そこまで蛸お好きなんですね」
「そうです」
まさにというのだ。
「他の海の食材も好きですが蛸もでして」
「それで、ですか」
「好きで」
それでというのだ。
「昨日もお昼に」
「いただいたんですね」
「そうしました」
「そうでしたか」
「蛸ひいては魚介類全体が好きです」
幸雄は微笑んで言った。
「そして特になのです」
「蛸ですね」
「大好きなのです」
「それじゃあ今度たこ焼き作りましょう」
真昼は笑顔で提案した。
「タコ焼き機持ってきてますから」
「そうなのですか」
「もうあれはです」
タコ焼き機はというのだ。
「大阪ですと大抵のお家にあるので」
「だからですか」
「はい、こちらで」
「たこ焼きを自分達で焼いて」
「そして食べましょう」
「いいですね」
幸雄は真昼のその提案に微笑んで頷いて述べた。
「自分達で作って食べることも」
「そうですね」
「それでは」
「里帰りの前に」
それまでの間にというのだ。
「一度です」
「五人で、ですね」
「たこ焼きを焼いて」
そうしてというのだ。
「食べましょう」
「それでは」
真昼に微笑んで頷いた、そうしてそのうえでそのたこ焼きと里帰りの話をした。両方とも話が動いていくのだった。
第二十三話 完
2024・4・23
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