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金木犀の許嫁

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第二十三話 里帰りその九

「世代単位で、です」
「よくなるんですね」
「そうです」
 まさにというのだ。
「そうなります」
「それじゃあ幸雄さんも」
「あの方々以上にですね」
「素晴らしくなる様に」 
 その様にというのだ。
「努力されるとです」
「いいですね」
「そうではないでしょうか」
「そうですね」
 まさにとだ、幸雄も頷いた。
「言われてみますと」
「むしろです」
 真昼はさらに言った。
「そのつもりで努力してこそ」
「よくなりますか」
「目標に達するのじゃなくて」 
 そうではなくというのだ。
「目標を超える」
「そうすることですね」
「そうして」
 そのうえでというのだ。
「凄くなれるんじゃないでしょうか」
「達するのではなくですね」
「越える、そして次の人達は」
「私をですね」
「越えます、そうしていけば」
 そうすればというのだ。
「きっとです」
「人はよくなっていきますね」
「進歩もです」
 人のそれもというのだ。
「そうであってこそです」
「なっていきますか」
「そうではないでしょうか」
「そうですね」 
 言われてだ、幸雄も頷いた。
「それじゃあ」
「そうしていかれますか」
「考えが変わりました、努力していって」
 そうしてというのだ。
「人生の最後でもです」
「幸村様に西本さんを」
「あの方々よりもさらに」
「素晴らしい人にですね」
「なります」
「そうなる様にですね」
「努力していきます」
 こう麻尋に話した。
「きっと」
「宜しくお願いします」
「努力して」
 夜空も言った。
「本当にです」
「よくなりますね」
「人は。宝石もですよね」
「はい、磨いてこそ」
 幸雄は答えた。
「宝石になります」
「そうですね」
「最初は石でも」
 それでもというのだ。
「磨けばです」
「宝石になりますね」
「奇麗な」
 そうしたというのだ、実際に宝石は最初からそうではないのだ、それが磨かれて宝石になるのである。
「そうなります」
「そうですね」
「ですから」
 それ故にというのだ。 
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