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犬の反抗期

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第二章

「あんたにとっては妹でも」
「実は俺より年上なんだよな」
「そうよ」
 まさにというのだ。
「身体はね、それでね」
「心もだよな」
「年齢は上よ」
「そうだよな」
「それでね」
 今はというのだ。
「犬はあっという間に成長して」
「大人になるから」
「だからね」
「反抗期はないか」
「ずっと素直なままね」
「育つんだな」
「そうした生きものなんでしょうね」
 こう息子に話した。
「犬は」
「そのことをわかって一緒にいないと駄目か」
「私達もね」
「そうなんだな」
「ええ、それでふわりはね」 
 今度は彼女自身の話をした。
「犬の中でも凄く純真で素直な娘だから」
「その性格を頭に入れてか」
「そしてね」
 そのうえでというのだ。
「一緒にいましょう」
「これからもな」
「そうしていきましょう」
 親子でそうした話をした、すると。
 ふわりは自分の話を終えたところでだ、不意に目が覚めて。
「ワン」
「ああ、ふわり起きたな」
「そうね」
 起き上がった彼女を見て話した。
「今ね」
「そうしたな、じゃあな」
 洋介はそれならと母に言った。
「ちょっと遊んでやるか」
「どうして遊んであげるの?」
「これ出してな」 
 ふわりのおもちゃを出して言った。
「それでな」
「おもちゃを使って」
「それで遊ぶな」
「そうするのね」
「今からな」 
 笑顔で言ってだった。
 ふわりと一緒に遊んだ、遊ぶふわりはとても純真で反抗期は全く感じられなかった。純真で素直なその性格が伝わるだけだった。


犬の反抗期   完


                   2024・6・22 
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