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星河の覇皇

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第八十六部第五章 傍目に見つつその二十六

「常にな」
「はい、それはです」
「ゲームではそうですね」
「打てる手は表のものだけです」
「ボードの上だけです」
「それだけです」
「無論そこでも負けたことはない」
 ジャバルはボードゲームの達人でもある、将棋やチェスの様なゲームでも他のゲームでも幼少の頃から誰かに負けたことはない。
「しかしだ」
「政治はどうかですね」
「この世界は」
「裏もありますね」
「裏の手も」
「そうだ、その裏をだ」
 それをというのだ。
「どう見てだ」
「どう手を打つか」
「それも駆使してですね」
「そうしてですね」
「今に至りますね」
「副主席は」
「人の世はボードゲームの様でまた違う」
 その政治家の目で話した。
「表だけでなくだ」
「裏もあり」
「その裏でもですね」
「どう手を打つかですね」
「特に政治の世界ではな、そして私はだ」
 これまではというのだ。
「その様にしてきた」
「手を打ってきましたね」
「そして二十代で、ですね」
「政府の代表となられ」
「そしてこれからもですね」
「手を打つ、そしてだ」
 そのうえでというのだ。
「軍もな」
「握りますね」
「要職を占め」
「政治将校を導入し」
「憲兵もですね」
「掌握する、言うまでもなく人事権と予算編成権もな」
 この二つもというのだ。
「掌握する」
「国家主席が」
「政府がですね」
「そうしますね」
「文民統制はいいものだ」
 ジャバルは笑った、だが目は笑っているが燃えていた。そうした笑みだった。
「実にだ」
「軍をコントロールしやすいですね」
「人事も予算も握っているので」
「背広組がどんどん言えますね」
「それもいいことだ、そして主な軍の高官や有能な者の情報は集め」
 そしてというのだ。
「弱みはな」
「知っておく」
「そして我々に反抗するなら」
「政治将校や憲兵も使いますが」
「それだけでなく」
「弱みを流す」
 スキャンダル、それをというのだ。 
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