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オズのエマおばさん

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第十幕その十三

「楽しんでいるわね」
「そうしているね」
「乳製品尽くしで」
「しかも日本に関係のあるね」
「面白いわね」
「確かに乳製品と縁が薄い国だけれど」
 その食文化はというのです。
「これがね」
「おつなものよね」
「本当にね」
「ただね」 
 おばさんがまた言ってきました。
「食べていたのよね、日本でも」
「昔からね」
「それが伝わっているのね」
「今のオズの国にね」
「日本それに中国では何時から食べていたのかしら」
「日本では七世紀にはね」
 この頃にはとです、ドロシーは答えました。
「食べていて中国ではその前からね」
「食べていたの」
「そうだったのよ」
 これがというのです。
「縁は薄くてもその歴史は長いの」
「そうだったのね」
「とても高価な食べもので」
 そうであってというのです。
「皇室や貴族といった」
「そんな人達が食べていたの」
「かなりのご馳走だったんだな」
「そうなの、牛乳を念入りに煮て」
 そうしてというのです。
「残ったものがね」
「ああ、水分をなくすのね」
「沸騰させていって」
「そうして作っていたの」
 おばさんとおじさんにお話しました。
「そうしたもので牛乳自体中国や日本にはなかったし」
「殆どの人が飲まないでいたのね」
「わし等と違ってな」
「そうした食文化でね」
 そうであってというのです。
「牛乳自体も少なくて」
「それから作るものも少ない」
「そうなるな」
「それでね」 
 そのうえでというのです。
「皇室や貴族といった」
「偉い人達だけが食べていたのね」
「中国や日本だと」
「そうしたものだったのよ」
「成程ね」
「蘇や酪や醍醐はそうした食べものなんだな」
「今はこうして普通に食べられてもね」
 実際にそうした感じで食べながらお話するドロシーでした。
「本当にね」
「昔は違ったのね」
「とても稀少で贅沢な食べものだったんだな」
「そうなのよ」
 ドロシーはお二人に蘇を笑顔で食べつつ応えました、蘇はチーズに歴史があるそうした深い味がしました。 
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