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オズのエマおばさん

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第十幕その九

「アジア、中国や日本ではあまりなかったんだよ」
「どちらもあまり乳製品は関係ない感じだね」
 腹ペコタイガーも言われて頷きました。
「そうだね」
「その食文化においてそうだね」
「確かにね」
「モンゴル等遊牧民は常に食べていたよ」 
 チーズをというのです。
「馬乳で造ってね」
「牛乳じゃないね」
「勿論山羊のものでもないし」
 そちらから造っていないというのです。
「トナカイのものもだよ」
「さっき僕達が食べた」
「そちらもだよ」
「そうだね」
「けれど遊牧民の人達は食べていたんだ」
「アジアでもだね」
 臆病ライオンが応えました。
「そうだね」
「そうだよ、ただ中国や日本でもだよ」
「チーズ食べていたんだ」
「そうなんだ」
「あまり食べていなくても」
「蘇があるね」
 教授はこの食べものの名前を出しました。
「酪や醍醐も」
「オズの国もあるのかな」
「あるわよ」 
 ドロシーが言ってきました。
「どの食べものもね」
「あるんだ」
「中国や日本の乳製品よ」
「今教授がお話してくれた通りに」
「そう、それでね」
 そうした食べものでというのです。
「私達も食べられるわよ」
「そうだったんだ」
「中華料理っていうと」
 ドロシーは微笑んでお話しました。
「色々な食材や調理方法があるけれど」
「うん、けれどね」
「乳製品はあまり、だよね」
 腹ペコタイガーと臆病ライオンが応えました。
「縁がないよね」
「そうだね」
「日本のお料理、和食もね」
 こちらはというのです。
「そうでしょ」
「和食はお醤油だね」
「何といっても」
 二匹で言いました。
「そこに乳製品が出る幕ないよね」
「あとお味噌もあるし」
「肉じゃがとかにも使わないし」
「チーズだってね」
「けれどあるのよ」
 これがというのです。
「日本にもね」
「その蘇や酪や醍醐」
「そうしたものがあるんだね」
「この村でもあるかしら」
「ありますよ」 
 案内役の若い男の山の妖精が答えました。
「どれも」
「あら、そうなの」
「よかったら如何でしょうか」
「お昼食べたばかりでお腹一杯だから」
 だからだとです、ドロシーは案内役の妖精に答えました。
「おやつにいいかしら」
「はい」
 案内役の妖精は笑顔で答えました。 
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