魔法少女リリカルなのはエトランゼ(異邦人)改 再構築
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0部 転生
序章 俺の人生がこんなふうに変わるとは思わなかった。
最悪のスタートからの再出発
「私はここで死ぬのかな? その方が楽だし、死んだ方がまし…」
この容姿が憎い。銀髪の長い髪の毛、人形みたいな透き通る肌、年齢以上に膨らんでる胸や引き締まったウエスト、そして低身長。抵抗するのも無駄。
私には親はいない。変態な大人たちの相手をしているだけの人形。アルコール臭い大人たち。なんで嬉しそうに私を裸にして喜んでる大人たち。何人の大人たちにたらい回しにされて身体をもてあそばれた。私のご主人様が私の首を絞めている。苦しい…くる…しい…息も苦しくなりかけたところで、死んでも良いと思った私だったんだけど…変な音がした瞬間に、頭が真っ白に…あぁ、これで楽に…その瞬間、頭が爆発したような感じがした…
私自身で何かが変わる。私が私じゃなくなり、すべてを思い出した。思い出した瞬間、おれを馬乗りにしていた大人が吹き飛ばされた。白のスーツに身を包んだ大人が、何かを言いながら俺を買った大人たちをぶちのめしていた。俺は、2度死んだ!一度目は転生前、二度目は今だ!首を絞められ、首の骨が折れと感じたのだが…死にたくない気持ちが私が俺自身を思い出させてくれた。
「大丈夫か嬢ちゃん」
「俺を買いに来た新しい大人か?」 俺は敵意を持って相手を観察した。記憶の中で見覚えがある。多分この人は、仮面ライダーWの左翔太郎の師匠でもある鳴海荘吉だと思う。それ以外思い出せない。
「そうかすまないな、大丈夫そうだな」
「名は?」
「綾」
苗字は知らない。源氏名かもしれないが俺はこの世界では綾と呼ばれていた。
「綾か… 良い名だ」
「どこにでもある名だよ。おじさんは?」
「おじさんか、そんな年はいってないつもりだったんだが、俺は鳴海荘吉、探偵だ」
「探偵さんが、俺をどうするつもり?」
「どうもしないさ」
俺は、下に落ちていた時計を掴み、鳴海さんに向かって投げた。彼はかわすまでもなく、そのまま俺を見ていた。時計は、そのまま鳴海さんに当たるのではなく外れその奥でさっきまで鳴海さんに殴られ倒れ立ち上がった男に当たって倒れた。
「助かった綾」
「ん」
さて、記憶は取り戻したのはいいのだが… 9歳になったばかりだったな。コナンとほぼ変わらない年齢だけど、決定的な違いといえば… 頼る場所がない。いくら資質が高かろうと今の俺は児童だ。何もできない。どうしたものか、思案していたら…
「綾、これからどうするつもりだ?」
「小学生だから孤児院みたいなところに厄介になるしかないでしょ」
これが現実的な考えだと思う。施設はガチャと変わらないからいいガチャが弾けるといいなぁと思案していた時、鳴海さんが話しかけてきた。
「お前がいいのなら」
「何?」
「知り合いにな、子供ができない夫婦がいるんだが」
「人柄は?」
「良いと思うぞ」
「施設に行くよりはましか、その夫婦ペドとかじゃないよね」
「安心しろ、人柄も良い人だ」
「おやっさんは?」
「おやっさんとは俺の事か?」
「何となくだけど、ダメだった?」
「綾の好きなように呼べ。俺は危険とともに生きてるからな。引き取るわけにはいかないが、たまになら遊びに来い」
確か… 大阪に妻子がいる。危険な仕事だから離れてるんだろうか。
「その人の名前は?」
「南條隆行さんと栞さんだ。旧姓は霧生栞さんだな」
南條隆行さん。聞いたことない名だ。でも… 霧生栞って…
「あの数年前にアイドルやってた」
確かこの世界の元トップアイドルだったはずだ。
「あぁ」
この世界にはいないけれど、名探偵コナンの工藤由紀子さんみたいに結婚と同時に引退したんだっけ。
「それ本人たちは了承済みなの?」
「今から話に行くところだ」
「俺に聞くよりまず先方の了承を得ないと」
「こういうのは大人の意見よりまずは子供の意見を聞く方が先だ」
おやっさんが頭をなでようとした瞬間、俺は無意識のうちにそれをかわしてハイキックをしたんだが、おやっさんはそれをすんでのところでかわしていた。
「良い蹴りだ!急になでようとしてすまなかったな」
私は、生前の記憶はうっすらとしか覚えてない。ただし今の人生と自分の能力と自分のことは覚えている。この世界に生まれて借金の代わりに親にDV、売春とやらされていた。子供だから、背徳感ゆえに高い金がもらえるらしい。だからか知らないが、俺は無意識のうちに攻撃をしてしまったみたいだ。おやっさんもそれがわかってるからか、蹴りをしたことは気にしてもいない感じだった。
おやっさんに保護されて一か月、色々な手続きをした。養子縁組で先方の人の子になることになった。南條これが新しい俺の苗字らしい。ただいま南條夫妻はアメリカにいるので、帰国してから初対面する予定だ。奥さんの栞さんとはビデオチャットで話をしていたので、この人たちなら安心だと直感で分かった。
おやっさんと一緒に本日その南条夫妻に合う手はずだ。風都から離れの少し海沿いにある場所にバイクに乗って向かっていた。久しぶりの海で、やはり気持ちがいい。
風都を離れ1時間ぐらいに隣の市に来た。ガードレールにようこそ海鳴市へと書いてあった。
海鳴って… あの海鳴。そういえば神がいってたなぁ。海鳴って言ってた記憶ある。
俺自身が知ってる海鳴は人外魔境で、忍者がいて、吸血鬼や狼人間や怪しい組織があったりする。
ゲームの話の舞台になった地名が海鳴市。
そういえば転生する前に魔法と武術は鍛えておけと言ってたけれど、納得だ! 武術はわかるが魔法ってのは… なんでだ?
ヤバイあのゲームの事何も思い出せないわ、実際におやっさんの事もうっすらとは覚えてるけど、仮面ライダーの話も思い出せない。
どうやら当事者なので思い出せない感じなのか?
帰ったら世界地図を見させてもらおう、
俺が生きていた世界との違いがわかるかもしれねえ。どうやら目的地に到着したみたいだ。
店の名前は『翠屋』、結構雰囲気がよさそうな喫茶店だ。
俺は、おやっさんにエスコートされながら中に入った。
入る前に、準備中と書いてあったのだが、よかったのだろうか。
「来たか荘吉」
多分この店のオーナーなんだろう。若いのだが、すごい穏やかな人だ。でも立ち姿がすごくきれいだ!
「悪いな士郎、来てるか」
「まだだ、その子が」
「そうだ」
あぁそういうことか。この間聞いた南條家の人との顔合わせでこの店を使わせてもらったってところか。
「あら、綺麗な子ね」
「桃子」
「ごめんなさい、私の名前は高町桃子。桃子さんって呼んでくれると嬉しいかな」
桃子と自己紹介してくれた女性は、栗色の髪の女性、多分20代前半の大学生な感じな人だ。多分バイトの子かな。でも呼び捨てにしてたから、似てないけれど妹か親戚筋の人かな?
「綾です。苗字はありません。でも、今日から南條となります」
「南條綾ちゃんね。よろしく、会った記念にこれをどうぞ」
カウンターに出されたものは、紅茶とシュークリーム。俺はカウンター席に座り、それを食べたのだが、すごく美味しくて、あまりのおいしさに声を上げてしまったぐらいだ!
桃子さんの用意したお菓子は、俺の口に合うようだった。
この喫茶店の雰囲気も、落ち着いていて居心地がいい。しかし、待ち時間が長く感じられた。
「おやっさん、いつ来るの?」
「すぐだ、もうすぐだ」
待っている間、店内には穏やかな会話やお客さんの笑い声が流れていた。だが、そのなかで突然、扉が開いた。そこには俺が待ちわびた南條夫妻が立っていた。
「綾ちゃん、すみません、遅くなって」
栞さんは優しい笑顔で言った。南條さんも同じく、和やかな表情で俺を迎え入れてくれた。
「南條、栞さん、きたか、隆も悪いな」
「いや気にするな壮吉、それに」
隆行さんは奥さんである栞さんを見て言った。
「壮吉さん大丈夫です。私が綾ちゃんと話して気に入ったのだから」
ビデオチャットの時色々聞かれたけど、どこに気に入る要素があったのか全く分からん。
「南條隆行さん、栞さん、初めまして。よろしく・・・お願いします」
俺はできるだけ丁寧に挨拶した。
「まずはゆっくり話をしましょう」
栞さんがそう言って、店主でもある高町さんが案内してくれると、
私たちは店の奥にある個室に案内された。
そこで、南條夫妻とじっくりと話をすることになった。
「綾君、僕たちは君を迎え入れることを決めました。
君が心地よく過ごせるよう家族になりませんか?」
南條さんの言葉に、私は胸が熱くなった。こんなにも優しい人たちがいることに、
なぜなら裏表のない彼らの人柄を感じるからだ。
改めて、おやっさんを含めた全員に感謝の気持ちが湧いた。
「ありがとう、ございます。おとうさ……」
お父さんお母さんと言おうとした瞬間、身体に拒否反応が出て発作が起きた。
俺が昔の恐怖体験を思い出し、恐怖で拒否反応を起こしたのだろう。
苦しいと感じた瞬間、温かい感触が身体に広がった。
目を開けると、隆行さんが優しく頭をなで、栞さんが俺を抱きしめてくれた。
その時、心が満たされ、発作が収まり、俺は素直にこう呼んでしまった。
「ありがとう、お父さん、お母さん」
ふたりは俺を見つめ、素敵な笑顔を浮かべていた。
壁際を見ると、おやっさんも帽子を目元にかけながら微笑んでいた。
私は、南條家で新たな人生を歩んでいくことになる。
後書き
0部 序章が終わりました。
真説のように隆行さんと栞さんをリタイアさせるか?
続行か悩みました。
綾は少しずつ女性言葉になっちく予定です
荒事以外は
多分誤字はないと思いますがあった場合はごめんなさい
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