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卑怯な男

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第四章

「それ言うなよ」
「そんなの卑怯だぞ」
「自分が言われて嫌だったら言うな」
「もうな」
「さもないと俺達も怒るぞ」
「もう止めろ」
「卑怯って何だよ、何が問題なんだよ」 
 橋上は眉を顰めさせて反論した。
「僕は仕返ししてるだけだぞ」
「だから自分がやられて嫌だったら言うな」
「それも体形のことをな」
「相手と同じことするな」
「あることないこと言うのも卑怯だしな」
「そんな卑怯なこと止めろ」
「いい加減にしろ」
 こう言うのだった、そして。
 橋上も言われてだ、反論した。
「何が悪いんだよ、一体」
「だからお前が言われて嫌だったことは言うな」
「嘘を言い回るのもな」
「人の体形を言うな」
「そうしたことは止めろ」
「これ以上やったら俺達も怒るぞ」
「自分がまた言われたら嫌だろ」 
 太っていることをというのだ。
「そうだろ、だったらな」
「もう言うな」
「絶対にな」
「何なんだよ」
 橋上は何故友人達に言われるかわからなかったが。
 彼等があまりにも強く言うので西占に言うことをそして言い回ることを止めた、すると。
 西占は次第にストレスでの過食症が収まりかつ孤立している彼女に癒しになると思ったソフトボール部の顧問の先生が彼女を部活に誘ってだった。
 そちらで汗を流し体型は元に戻りかつ友人も出来た、そうなったが。
 ここでだ、橋上の中学からの友人達は彼にまた言った。
「あのな、あることないこと言ったりな」
「過去をほじくり出して言うとかな」
「そして体形のこと言うとかな」
 こうしたことはというのだ。
「卑怯なんだよ」
「あることないことって嘘だろ」
「嘘も話に入れて攻撃するって卑怯だろ」
「汚いしな」
「まずこれが駄目だろ」
 こう言うのだった。
「お前も言われたし黙ってたけどな」
「ある程度まではって思ってな」
「けれど度が過ぎてきたしな」
「このことも言うしな」
「過去をほじくり出すこともな」
 次にこのことも話した。
「過去は変えられないだろ」
「それを言い回られると反論出来ないだろ」
「それで相手を攻撃するな」
「変えられないこと言って相手を貶めるな」
「これも卑怯なんだよ」
 そうした行いだというのだ。
「これもある程度黙ってたよ」
「お前が西占に言われてたの事実だしな」
「けれどやっぱり度が過ぎてたんだよ」
「徹底的にやってたしな」
「そして体形のことだ」
 最後にこのことが言われた。
「お前言われて嫌だっただろ」
「それで怨んでただろ」
「自分がやられて嫌だったら相手にするな」
「例え相手にやられてもな」
「それじゃあ同じだろ」
「自分を攻撃した相手とな」
「それに体型はすぐに変えられないだろ」
 橋上にこのことを話した。 
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