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卑怯な男

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第二章

「やってやるよ」
「どんな仕返しするんだ」
「暴力振るわないことはいいが」
「それならどうするんだ」
「考えがあるよ」
 こう言ってだった。
 橋上は動くことにした、最初西占は彼のことに気付いていてそれでも小学校の頃のことは何とも思っていなかったが。
 クラスの中の挨拶が終わってすぐだ、彼はクラスメイト達に西占の前に来て言った。
「こいつと僕小学校から一緒だったんだ」
「へえ、そうか」
「お前等小学校から同じか」
「そうだったんだな」
「それで小学校の時僕デブだったんだけれど」
 それでもというのだ。
「散々言ってくれたんだよ、デブとか臭いとか汚いとかな」
「へえ、そんなこと言ったんだ」
「太ってるとか」
「そんなこと言ったんだな」
「それでバイ菌扱いしたんだよ」
 西占の前に立ち彼女を指差しつつ話した。
「そんなことする奴だから気を付けろよ」
「人を外見で判断するんだな」
「そうだよ」
 クラスメイトの一人に答えた。
「だから注意しろよ」
「そんな奴だってことだな」
「そうだよ」
「ちょっと、それ昔のことでしょ」
 最初言われて何かと思ったがだ、西占は一息ついたところで橋上に困った顔になったうえで言い返した。
「小学校の頃の」
「お前僕に謝ったか?」
「そ、それは」
「痩せたら何も言わなくなったよな」
「そうだけれど」
「それって太ってる嫌いだってことで」
 そしてというのだ。
「何してもいいんだよな」
「そ、それは」
「じゃあ俺アウト?」 
 クラスで一番太った男が言ってきた。
「ひょっとして」
「そうなるね」
「外見で判断して欲しくないよ」
 太ったクラスメイトは困った顔で述べた。
「そんなのはね」
「そうだよね、やっぱり」
「はっきり言って」
 橋上に西占を見つつ言った。
「僕こいつ嫌いになったよ」
「人を外見で判断するなんて最低だよな」
「そうだよね」
「こいつ他にも色々やって言ってたんだよ」
 橋上はさらに言った。
「それ今全部言うな」
「ああ、言ってくれよ」
「どんなことやって言ったんだよ」
「それはな」
 西占の小学校そして中学校での彼女にとって都合の悪い行いや発言をあることどころかないことまで言った、すると。
 西占は泣きそうな顔になってだ、橋上に言った。 
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