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昭和で止まった男

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第二章

「エースだったな」
「過去の栄光だけか」
「それにしがみついてな」
「若い頃凄くてか」
「そこから全く変わってないな」
「爺なんだな」
「だからそのコラムもな」
 遺言というそれもというのだ。
「その雑誌の中でダントツにつまらないんだよ」
「ただ偉そうなだけだな」
「爺さんでそんな文章しか書けないのがな」
「こいつの程度だな」
「そうだよ」
 まさにというのだ。
「高校生の俺達にこう言われる位な」
「程度が低いんだな」
「ああ、だからな」 
 そうしたレベルだからだというのだ。
「もうそんなの読んでもな」
「時間の無駄だな」
「今二十一世紀で令和だぞ」
「二十世紀で昭和じゃないな」
「学生運動やってた馬鹿共がな」
 丁度その時代だった。
「ヘルメット被って覆面してな」
「棒持って暴れてた時代だな」
「革命だって言ってな」
「あいつ等も馬鹿だったな」
「ああ、その馬鹿共が暴れてた時代だぞ」
「全く違うな」
「その頃からな」
 彼等から見て大昔からというのだ。
「全くな」
「変わってないんだな」
「ああ、そんな奴の言うことだからな」
「時代遅れで中身がなくてか」
「面白くないんだよ」
「そうなんだな、じゃあ読まなくていいな」
「その雑誌内容が充実してるからな」 
 野球のことを実に細かく的確に分析している記事が多いとだ、宇野は重原に冷静な顔と目で話した。
「他にもな」
「読むもの多いな」
「だからそいつのコラムだけはな」
「すっ飛ばしてもいいな」
「大体知識も教養もなくてな」
「品性もないな」
「言うチーム巨人だけだろ」
 このことも言うのだった。
「監督として無能だったのにな」
「無能の極みだったんだな」
「巨人で最高の監督だっただろ」
「敵チームにとってはな」
「采配下手でな」
 またこう言うのだった。
「人望も育成能力もなくてな」
「いいものないな」
「現役の頃から止まってるんだぞ」
 その頭がというのだ。
「大昔の」
「昭和のだな」
「だったらな」 
 それならというのだ。
「もうな」
「コラムも面白い筈なくてか」
「言うチームもな」
「巨人だけか」
「しかも観る視点はな」
 それはというと。
「完全にマウンドでな」
「ピッチャーのいる場所だな」
「ベンチからでもな」
「偉そうでか」
「そうだからな」
「面白くないか」
「それで視野も狭いんだよ」
 そうだというのだ。 
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