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詐欺師が狙う相手

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第三章

「映画の悪役のモデルになった」
「大嘘を大声で喚き散らすな」
「あいつね」
「あいつは自分だけだよ」
 その頭の中にあるのはだ。
「詐欺師の俺達が言うのも何だがどんな悪事をしてもな」
「自分さえよければいいわね」
「幾ら人を騙してもな」
「私達みたいにね」
「むしろ俺達以上にな」
「平気ね」
「そんな奴に騙されて熱狂的に支持してる奴いるだろ」
 アメリカにはというのだ。
「ああした連中見てどう思う?詐欺師として」
「最高のカモね」
 にたあと笑ってだ、マイラはテーブルの上のステーキを食べて言った。最高級の肉のそれは実に美味い。
「本当に」
「そうだよな」
「ええ、そういうことね」
「日本だと左でも右でもな」
「そうした馬鹿がいて」
「もうあいつ等みたいにな」
「簡単に騙せるのね」
 こう夫に言った。
「あいつ等が好きそうなことを言えば」
「それで信じて」
「日本人とも言えばな」
「完璧ね」
「日本語でな」
「完全に自分と同じだって思って」
「馬鹿も馬鹿でな」
 夫はサラダも食べて言った、こちらもとびきりの野菜だ。
「何でもあっちじゃ境界知能っていうらしいな」
「境界知能?」
「ああ、それこそ人間として何か言うぎりぎりのな」
「頭の持ち主ね」
「もう考えなんてな」
「馬鹿そのものね」
「それこそあの元プレジデント支持してる連中とな」
 その考えのレベルはというのだ。
「同じだよ」
「そういうことね」
「だからな」
「あそこまで簡単に騙せるのね」
「騙されたことすら気付かないまでのな」
 そこまでのというのだ。
「極端にな」
「考えが馬鹿なのね」
「ああ、自分達以外の考えは認めなくてな」
「攻撃的ね」
「暴力だってな」
 これもというのだ。
「それこそな」
「あの連中みたいにね」
「辞さないけれどな」
「いざとなれば」
「その暴力を辞さないこともな」
 このこともというのだ。
「わかりょな」
「馬鹿の特徴よね」
「まともに考えられなくてな」
 そうであってというのだ。
「感情も長られなくて理性もない」
「それで暴力を振るうのよね」
「だからな」
 そうであってというのだ。
「そうした連中にはな」
「自分達と同じ考えだって見せれば」
「ころっとな」
 そう言っていい感じでというのだ。 
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