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星河の覇皇

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第八十六部第三章 学園の理事長としてその五十三

「元王朝を北に追い乱れた国を収めた」
「混乱も天災の傷も」
「戦乱のそれもな」
 その全てをというのだ。
「そうした、それはだ」
「まさにですね」
「望まれた英雄だ、英雄は望まれて出る時もあえば」
「そうでない時もある」
「ギルフォード総統は望まれた出たが」 
 そうした英雄だがというのだ。
「しかしだ」
「それでもですね」
「あそこまでの器の英雄はな」
「流石にですか」
「エウロパは敗北の傷を癒す英雄を求めた」
「震災からの速やかな復興を」
「それを果たす英雄を求めたが」
 それがというのだ。
「しかしだ」
「それ以上の英雄でしたか」
「イギリス政界で既に名を知られていたが」
「エウロパ総統に就任し」
「その時の名を遥かに凌駕するまでのだ」
「資質を発揮していますね」
「彼はイギリス政界ではまだ収まりきれなかったのだ」
 そこまでの器だったというのだ。
「エウロパ一国いや連合に生まれていれば」
「この連合をですか」
「中央政府に入るのならば」 
 その時はというのだ。
「中央政府大統領としてだ」
「連合全体を発展させていましたか」
「そうなっていた、連合の何処かの国にいればな」
「器が収まりきれなかったですか」
「エウロパの総統でもまだだ」
「収まりきれないですか」
「さらに大きい、連合四兆の市民と広大な領土でだ」
 それだけのものでというのだ。
「ようやくだ」
「収まっていた」
「そこまでの器だろう」
「恐ろしい御仁ですね」
「その恐ろしい人物が今だ」
 まさにというのだ。
「エウロパにいてだ」
「我々の敵ですね」
「そういうことだ」
「実に厄介なことだとです」
「話せば話す程な」
「そうなりますね」
「そして私としては」
 八条は自分のことを話した。
「彼が発展させたエウロパに対するだけのだ」
「軍備を整えることをですか」
「考えている、エウロパ軍を圧倒する」
「それだけの戦力をですね」
「整えてだ」
 そしてというのだ。
「そのうえでだ」
「あの国に攻められない」
「その様にすることが役目だと考えている」
「中央政府国防長官として」
「そう考えている」
「ではこのままですね」
「エウロパへの備えを続ける、思えばだ」
 由良にこうも言った。 
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