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偽マフティーとなってしまった。

作者:連邦士官
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17話

 皆、結構顔色が良くて割と元気そうで良かった。しかし、ハンドリー・ヨクサン長官だけは参ってしまっている。意外と彼らは冷ややかな目でヨクサン長官を見ている。確かに自分より様子がオカシイ人が居たら落ち着くものだ。どこを見ても俺の周りは頭マフティーだから落ち着かざるを得ない。可哀そうだと思わないか?

 「君たちにはこれに乗ってもらう。」
黒塗りの重厚な装輪装甲車にマンハンターのマークが書いてあるがバツが書かれて、他の空いているところにサナリィのロゴが書いてある。彼らの話ではジオンのふりをして地球連邦軍が海賊行為をしているから、当然我々のスポンサーになるだろという事からサナリィがスポンサーという体でサナリィのロゴを付けたらしい。

 「サナリィ?なぜ?」「アナハイムならまだわかるが。」「どうかしたのかね?ヨクサン長官。」
保健衛生大臣などがザワつく。見つめられているヨクサンは膝をつき震えている。発作か?

 「騙したな!マフティー!あれに乗せられた人間がどうなるか知っているのか!!」
いきなり怒鳴ってきた。発作だな。発作は怖いからやめてほしい。

 「どうなるのか是非とも教えてほしいな、ハンドリー・ヨクサン。スーツにシワが寄る。起きたほうが良い。マフティーは嘘をつかない、マフティー性に反するからな。マフティーを理解しろ。」
ツヴァイがまた絡む。ヨクサンに絡んでも仕方がないだろう。マフティー性で暴れるな!発作を発作で被せるなよ、お前。怒られたら相手より大きく怒り返す酔っぱらいの喧嘩じゃないんだぞ。でもガンダムじゃ割とよく見る光景だよな。

 「やめ‥。」
俺が出るより先にドライが出た。完全にタイミングが崩されてしまい引き下がるしかない。出鼻をくじかれるとはこの事だ。横を見ると、ギギが少しおかしそうにこちらを見ている。神経が苛立つ。

 「あれに乗せられた人はどうなる?わかるように教えてくれよ、マンハンターのやり口と楽しみの味ってやつと賄賂の甘露ってものをな!」
ドライが怒鳴りつけ首根っこを掴み、ヨクサンを立たせた。ドライは襟元を整えている。ヨクサンがこちらを見てきたので仕方がない。

 「マフティー・ドライ、よせ。しかしヨクサン長官、どうなるというのだね?あれに乗せられた人間はどこに行く?どこに帰る?」
ここらへんは真面目にやらねばケネスが怒る。ケネスが怒ればどうなるかわからん。可能性は徹底的に潰して最後に残った確実な手段を採らねばならない。ジャックがいつ盗撮してるかもわからない。フィーアから聞いたがあのおっさん、アイザックとザク・フリッパーの2つのパーツを使った偵察撮影機材を持っており、それを電子戦機のパーツを組み込んだSFSに乗せて使うことにより広域の電波ジャックから電波障害に撮影などを行えるらしい。

 変態に技術を渡すなよ。しかも、ジャックは元々ジオン軍ペーネミュンデ機関の特務情報大尉、地球広報宣伝参謀部の参謀だったらしい。地獄の経歴かよ。頭マフティーか頭デラーズでなければアナハイムで雇われて高給取りになっていそうだ。

 「あの車両はマンハンターの車両だ。辺境の小型コロニーや資源惑星で強制労働させられる。地球連邦政府の居住権を持っていてもだ。」
上流階級や大臣達がザワつく。噂として知っていたが、長官自体が語るのではわけが違う。

 「それだけじゃないよな?長官。マンハントを教えてやれ。」
ドライは手袋を脱ぎ、その手を見せる。小指がない。上流階級の皆さんはその痛々しさに悲鳴をあげる。ギギのイヤリングが揺れている。そういえばギギは動いてないのに感情が高ぶるとあのイヤリングは揺れるが、サイコフレームで出来ているんだろうか?

 「マフティーよりマンハンターのほうが嘘をつくわけだな。マンハンターとマフティー、同じように顔を隠していてもこんなにも差が出る。隠すことで大勢になったマフティーと隠すことで大勢に紛れ込んで好き勝手できるマンハンター。権力の味は魅力的になった訳だ。暴力はいいよな、ヨクサン。いい時代になったもんだ。」
見せつけるようにゆっくりと手袋を嵌めるドライに悲しいものを感じながら、ヨクサンを車に乗せようとしたが‥‥。

 「仕方がないじゃないか!」
ヨクサンが叫ぶ。よく叫ぶ!また、俺の神経が苛立つ!なんでこんな崖の上のサスペンスドラマを見せられないといけないんだ。いい加減にしないとサスペンスドラマの様にガラス灰皿かトロフィーで黙らせるぞ。

 「俺が就任したときにはそうなっていた!12年前、シャアの反乱が起こる前からそうだ!俺にどうしろと言う!?犬のマネでもすればいいのか!?」
正直なところ、ヨクサンの声で犬のマネは聞いてみたいが、止めるかどうしようか。下手に止めても不満に思って後からドライがヨクサンを殺すかもしれん。ここは宇宙世紀、荒れた大地なのだ。

 「犬はお前だろう。権力の飼い犬、哀れな犬め!」
ドライの何かにより点火して怒鳴っている。先に上流階級や閣僚を乗せようと見ると怪しい動きをしているのがいる。

 「ケネス大佐。ここで逃げようとしてるとは情けないやつなのだな!」
油断も隙もない。上流階級達は非難の目を向けているが、ギギは好奇心がくすぐられたようだ。怖いな、ギギ・アンダルシア。

 「分かってたのか。」
分かってるよ。上流階級や閣僚とは違い、彼は軍人だから逃げても良いんだ。むしろ、いち早くテロリストの情報を本陣に届けるのが彼の仕事だ。自力で脱走して来た軍人なんて非難を受けている今、批判避けに昇進させるには十分な経歴だろう。

 「俺なら今逃げ出す。君がパイロットだったように、俺もまたパイロットなのだろう。笑いたまえ。」
しょうがないから誤魔化して、ヨクサンとドライの一騎打ちを見る。ツヴァイは既に上流階級の皆さまと閣僚たちを護送車に収容できたようだ。再び、ヨクサンが話をしだした。

 「予算もない。軍が不要な兵器とかを押し付けてくる。更に言えば慢性的な人手不足で政府が我々に労働刑にしろと言うんだ。連邦政府の環境大臣や財務大臣や外宇宙開発長官が決めたことだ。」
もう三人ともハサウェイが殺したけどな。

 「まさか!あの噂は本当だったのか!?」
護送車の中から教育振興大臣の声が聞こえた。他の人が驚かないのを見ると本当だろうなと思っていたのだろう。

 「私だって、私だって、刑事警察機構長官で精一杯なんだ!末端が不正をしていると噂は聞いたことがあったが、それ以上は知らなかったんだ!知らなかった。最近知ったんだ!任期だってあと2年程度、これ以上俺に何ができると言うんだ?」
とりあえず、それなら市街地にジェガンを突入させるなよ。言ってることがマフティー文法を使う頭マフティズムのマフティー・カウンターと変わらないよ。ユニバースの代わりにマフティーって叫んでるような。

 「ならなぜ市街地にMSを入れる?ジオン残党が居ないような場所ばかりだが?長官にはジェガンの強さをわからせてやろうか?」
まじで死ぬぞ、そのおじさん。強化人間でもないんだから。

 「少し待て、ドライ。」
ドライは頷いた。よし、早く連れてくぞ。
 
 「常に見られているのを忘れるなよ、ヨクサン長官。我々はマンハンターをマンハンターよりも必ず執拗に見ているからな。何度も言うが必ずだ。お前は見られているのを忘れるな。」
ヨクサンがフラフラと震えて歩いている。俺は彼を支えて連れて行く。確かにクズではあるが、閣僚たちを解放する約束はしている。それに他の閣僚や上流階級に告白を聞かれてしまったのだ。また役職を全うできる立場にはなれないだろう。もはや政治家としてやってはいけまい。

 「ただ任期中は何も起きないように祈っていただけなんだ。こんな‥‥。」
知らんがな。何も起きないって、取り締まり一回に付き数十人規模で死んでるからラプラス騒動より人が死んでるんじゃないか?

 「エゴだよ。何も起きないと言いつつ、毎日何かが起きていただろう?人は‥‥、弱い人は強大な力を持つと勘違いするものだ。力とは力であって、力に過ぎない。しかし、その力で神様にでもなった気になる。大義の為には小事を切り捨てる。だが、切り捨てられた人々はどこに帰る?」
簡単に宇宙世紀は人が死にすぎるんだよ。現実になるとわかる。ニュースでは何人死んだとか、何処が何人殺しただとか、もっと平和になったらいい。

 「簡単だ、マフティー。マフティーのもとに帰り、マフティーとして生まれ、マフティーとして死ぬ。人が死ぬ度にこのマフティー騒動は加速する。もはや誰もダンスマフティーと武装マフティーと己の中のマフティーから逃げられはしない。死後の世界もマフティーとして反省を促されるかもしれないぞ。」
ツヴァイはインターネットやチャットをやめて寝ていたら?ちょっと意味わからないところでカットイン、やめてくれる?マジでギギと変わらないだろ。お前、やっぱりニュータイプだろ。しかも死後もマフティーとか、Cの世界か何かか?CではなくMの世界になるな。最低な響きだ。

 「彼だって被害者さ。人は流れに乗ればいいが、流れが間違うこともある。何度も間違え修正していく。結果、世界でいつかは正解が出る。一足飛びに正解が出続けたら人類は堕落するさ。」
原作を知っていた俺も堕落していたからな。答えなんてあるかわからん。

 「では、許されるのか?私も。」
だからよ、なんで宇宙世紀のインテリは哲学的なことを俺に聞く?知らんよ。

 「正しいか正しくないかは後世の暇な歴史家が決める事さ。正しい人間などは居ない。マフティーでさえも正しくない。歴史家が判断することにマフティーは介在しない。だがマンハンターはきっと、寝ていたジオン残党やエゥーゴやティターンズを起こしたんだ。なら反省して次の糧にすればいい。何時だって、反省は過去にあって償いは未来にある。」
言っててよくわからなくなってきたが、多分合ってるだろ。マフティーがマフティーしてマフティーになって、マフティーで文法が成立する世界だし、きっと。

 「なら私は救われるのか?」
知らん、知らん、知らん。だからさ、ずっと前からそうだが神父とか牧師とか坊主とかと俺を勘違いしてるよね。面倒くさいからフル・フロンタルか紅茶野郎に聞いたらそれっぽいことをいうぞ。

 「マフティーは誰も助けない。人は一人で勝手に助かるだけだ。誰かが誰かを助けるなんてことはできない。だから反省を促す。助けたいのではないから。」
それっぽいことを言うスキルが磨かれすぎてる気がする。このままでは頭フロンタル化しそうだ。嫌だなあの金髪。嫌なパーマの掛かり方もしてるし。

 「人は一人で勝手に助かるだけ。だから人はマフティーという個になり助ける。マフティーがやった事ならマフティーに帰るから、マフティーが一人で助かっているだけだ。それがマフティーを産む。実にマフティー性が高いマフティーだ。」
教育振興大臣!?頭がおかしくなってる‥‥。

 「しかしだねぇ‥‥。それでは無政府主義だよ。そちらのほうが多く死ぬ。」
保健衛生大臣まで来るな!!

 「マフティーを地球連邦政府に変えてみろ。奴が語っているのは国家論さ。個体として国民と言う細胞を殺す生き物は正しいのか説いてるのだよ。奴はインテリらしい嫌らしい言い方をする。」
エインスタイン大臣!?インテリじゃないです。

 ギギ!こういう時にカットインしないでどうする。と言うか、護送車の窓からレスバトルに参加するなよ。動画サイトの討論動画にコメントでレスバトルしだす古い地球人か?

 「マフティーのやり方正しくないよ!」
やっと来たな、ギギ・アンダルシア!変なことを言って空気を変えてくれ。そしたらヨクサンをそこに入れて発車するから。

 「それじゃあマフティーが、マフティー個人が救われないじゃない!!犠牲者になるの!?」
ギギ・アンダルシア、お前そういうところだぞ!?

 「答える義務はない。ヨクサン長官を立たせて車に入れろ。早く行くぞ。マフティー・フィーアの神経が苛立っているだろうからな。」
宇宙世紀の人間はレスバトルをしないと死ぬタイプの人間ばっかりなのか?かなり疲れて座席に着く。そしてフィーアから渡された生ぬるい炭酸が抜けたコーラは飲みたくないから、疲れているであろうヨクサンに渡してやる。

 窓から眺める地球の空は宇宙世紀でも変わらなくて。手を伸ばせば雲すら掴めそうで。急に眠気が来たので眠ることにした。後でツヴァイとギギは説教だからな。


 
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