妹はスカイダイビング好き
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第一章
妹はスカイダイビング好き
就職が決まってだった。
大竹望はお祝いに思い切ったことをしようと思った、それでだった。
「スカイダイビングするの?」
「そうするの?」
「ええ、もうね」
大学で友人達に話した。茶色の髪の毛をやや短いセミロングにしていて大きな切れ長の三白眼の目で唇はピンクである。色白で顎がすっきりとしていて背は一五九位でスタイルがいい。ズボンとシャツというラフな格好である。
「思い切ってよ」
「凄いことしたい」
「それで何かって考えて」
「それするの」
「スカイダイビングするの」
「チャレンジしてみるわ、いやどんなものかね」
友人達にさらに話した。
「怖いけれどね」
「楽しみなのね」
「望ちゃんとしては」
「そうなのね」
「お空飛んでる飛行機から飛び降りて」
そうしてというのだ。
「パラシュート開いて落下する」
「若し開かなかったら」
「そう思うとね」
「かなり怖いわね」
「けれど開くのが普通だから」
それでというのだ。
「本当にね」
「思い切ってなのね」
「やってみるのね」
「飛び降りてみるのね」
「そうしてみるわ」
こう言ってだった。
望はスカイダイビングをしてみることにした、家でもこの話をしたが両親は流石にという顔になって話した。
「いや、ちょっとな」
「そりゃパラシュートあるけれど」
「危ないだろ」
「万が一があるでしょ」
「いや、私インストラクターやってるから」
ここで妹の桜が言ってきた、姉そっくりの外見だが黒髪をポニーテールにしていて一センチ程小柄である。
「何なら私のところ来る?」
「えっ、アルバイトそっちか」
「アルバイトしているのは知ってたけれど」
「お前スカイダイビングか」
「そっちのアルバイトしたの」
「大学通いながらお勉強もして」
桜は両親に笑顔で話した。
「今じゃ資格も持ってるわ」
「インストラクターのか」
「そうなの」
「だからもうね」
既にという口調での言葉だった。
「就職もそっちで決まってるし」
「私より一つ下で」
就職が決まったばかりの望も少し驚いて応えた。
「それでもなのね」
「そうなのよ、実はね」
「それは何よりね、それでなの」
「うん、よかったらね」
「あんたのところでなのね」
「やってみる?スカイダイビング」
「あんたが言うならね」
桜は子供の頃から器用だ、望もこのことを知っていてだった。
彼女がインストラクターをしているスカイダイビングの企業に応募してそうしてそちらで飛び降りることにした。
その時の付き添いは桜だったが。
「姉妹一緒にね」
「飛び降りるのね、これから」
「うん、ただね」
ここで桜は姉に強い声で言った。
「若し何かあったらね」
「お空から飛び降りるから」
「死ぬから」
このことを真顔で言うのだった。
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