八条学園騒動記
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第七百四十七話 サチェル=ペイジその四
「それでだ」
「一七〇キロ以上出してたの」
「これも真相はわからないが」
それでもというのだ。
「そうした話がある」
「そうなのね」
「これも与太話と言えばな」
「そうなるのね」
「だから何とも言えない」
この話が真実かどうかということはというのだ。
「残念だが」
「そういうことね」
「それが黒人リーグだった」
「差別されてのことだがな」
フランツはそれでもと話した。
「色々凄い話が残っている」
「そのことは事実ね」
「そしてだ」
そのうえでとだ、フランツはさらに話した。
「サチェル=ペイジにはそんな話もある」
「つくづく凄い人ね」
「法螺半分でもそうだな」
「そう思うわ」
こうフランツに答えた。
「私もね」
「そうだよな」
「ただ、二〇〇〇勝って」
アンは彼のこの伝説の話をした。
「凄いわね」
「ピッチャーがそこまで投げるなんてな」
「一年中投げてたの、ずっと」
「当時はそうだった」
タムタムが答えた。
「エースになるとな」
「毎日投げていたの」
「もう連投なんてな」
それはというのだ。
「普通だった」
「それも先発で?」
「完投でな」
それでというのだ。
「本当にな」
「普通だったの」
「そうだった」
当時はというのだ。
「本当にな」
「そうなのね」
「そしてだ」
さらに言うのだった。
「サチェル=ペイジもな」
「シーズン中ずっと投げてたの」
「それもかなりの年数な」
「だから二〇〇〇勝なの」
「ダブルヘッダー両方先発もあったらしい」
「無茶苦茶ね」
「だから当時はな」
二十世紀前半はというのだ。
「それがだ」
「普通だったのね」
「それでだ」
その為にというのだ。
「一年百試合投げたとする」
「酷使のレベル超えてるわね」
「十代後半から四十代までがピークなら」
「その間ずっと投げていて」
「二五〇〇試合位はな」
それだけはというのだ。
「もうな」
「普通になのね」
「登板したとしてもな」
そうであってもというのだ。
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