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三戸

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第五章

「これでね」
「お開きですね」
「そうしますね」
「少しでも寝た方がね」
 夜更かしをしてもというのだ。
「身体にいいし。寝不足は」
「身体に悪いですね」
「だからね」 
 それ故にというのだ。
「もうね」
「寝ることですね」
「少しでも」
「三戸が出てもよくないけれど」
「睡眠不足もよくないですね」
「完徹は禁物ですね」
「少しでも寝ると違うから」 
 有里は最後の残りものの魚の干物を食べつつ話した。
「もうね」
「これで、ですね」
「寝ることですね」
「織田信長さんはあまり寝なかったのよ」 
 この人物の話をここでもした。
「当時の人は敢えてね」
「何でですか?」
「何で寝なかったんですか?」
「禅宗のお坊さんはあまり寝ないの」
 まずはこの宗派の僧侶のことから話した。
「修行でね」
「禅宗って座禅汲みますけれど」
「それが修行ですね」
「他にも読経とかもして」
 修行としてというのだ。
「食欲と科性欲とかを抑えて」
「あっ、禁欲ですね」
「仏教の」
「それで睡眠欲もね」
 こちらもというのだ。
「抑えるから」
「だからですか」
「あまり寝なかったんですか」
「信長さんは禅宗じゃなかったけれど」
 宗派は日蓮宗であった、ただし日蓮宗の僧侶でも無体なことをすれば罰した。
「自分を律する為にね」
「あまり寝なかったんですか」
「そうだったんですね」
「敢えてそうして」  
 そのうえでというのだ。
「律していたの」
「そうですか」
「信長さんそうだったんですね」
「上杉謙信さんもそうで」
 信長と戦った彼もというのだ。
「この人は信長さんと正反対で物凄いお酒好きだったけれど」
「それ有名ですよね」
「毎晩相当飲んでましたね」
「そうだったけれど」
 そこは下戸の信長と違うがというのだ。
「あまり寝なかったの、当時はそうして欲を抑える人がね」
「いたんですか」
「信長さんや謙信さんみたいに」
「そうなの、それでね」 
 二人にさらに話した。
「それが今はね」
「寝る方がいい」
「健康の為には」
「医学的にはっきりしていますね」
「そうですね」
「だからね」
 そうであるからだというのだ。 
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