三戸
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第三章
「これから宜しくになるわね」
「そうですね」
芽衣は有里に明るく返した。
「これから宜しくです」
「こちらこそね。それで未央ちゃんから聞いたけれど」
「はい、今夜はです」
「三戸が出ない様に」
「パーティーしましょう」
「三人でね」
「そうしましょう」
有里に笑顔で言った。
「これから」
「それじゃあね」
「はい、お酒とおつまみ持ってきました」
芽衣は笑顔のままこうも言った。
「そうしてきました」
「私も用意したわ」
「私も」
有里だけでなく未央も言って来た。
「それじゃあ」
「三人で夜更かししましょう」
「明日休日ですし」
未央はこのことも話した。
「それじゃあですね」
「今からね」
「楽しみましょう」
こう話してだった。
三人でパーティーをはじめた、その中でだ。
芽衣はビールを飲みつつだ、一緒にテーブルに座って飲み食いをはじめている三人に対してこんなことを言った。
「しかし織田信長さんがお酒弱かったってね」
「意外過ぎるわよね」
未央は柿ピーを食べつつ応えた。
「つくづく」
「そうよね」
「ほんのちょっと飲んで」
「一口位よね」
「本当にそれ位飲んだらね」
そうすればというのだ。
「ふらふらになったらしいわ」
「また極端ね」
「下戸だったのね」
「あの人は」
「当時のお酒は今のお酒より弱かったのよ」
有里は二人に日本酒、用意していた一升瓶のそれを飲みつつ話した。
「戦国時代のお酒はね」
「あっ、そうなんですか」
「今のお酒は清酒でしょ」
芽衣にその清酒を飲みつつ話した。
「昔は濁酒でね」
「あのマッコリみたいな」
「というかマッコリはね」
この酒はというのだ。
「そのままね」
「濁酒ですか」
「そう、それでマッコリは弱いでしょ」
「清酒よりも」
「アルコール度が低いけれど」
それでもというのだ。
「そのお酒をね」
「当時の人達は飲んでいたんですか」
「そうだったのよ」
「マッコリ一口でふらふらになるなんて」
未央はペットボトルの赤ワイン、一・五リットルのそれを飲みつつ言った。
「もう相当ですね」
「そうよね」
芽衣はカップ焼きそばを食べつつ応えた。
「聞いてたら」
「そうよね」
「そんなに弱かったのね」
「それで甘党で」
「甘党だったら」
芽衣はそれならと言った。
「お茶が欲しくなるわね」
「お菓子食べるとね」
「他にはコーヒーあるけれど」
「当時の日本にコーヒーなんてね」
「ある筈ないし」
そうであるからだというのだ。
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