お寿司食べ放題

　　　　　　　　　　　　　　　　お寿司食べ放題　
　その店の話を聞いてだった。
　佐藤果南、黒髪をロングにして前髪をやや揃えていて穏やかな優しい顔立ちに細い眉を持つ一六〇位の背の胸の大きな彼女は言った。
「是非行かないと」
「いや、義務なんだ」
「だってお寿司よ」
　サラリーマンでこの話を持って来た夫の義也に言った、夫は一七二位の背で痩せていて卵型の顔に整った顔立ちで優しそうな顔の相である。髪の毛はやや茶色がかっているショートだ。
「だったらね」
「食べないとなんだ」
「ええ、食べ放題なら」
　寿司のそれをというのだ。
「絶対に行って」
「お腹一杯食べるんだ」
「お寿司はね」　
　夫に目をキラキラとさせて言った。
「もう最高のよ」
「ご馳走なんだ」
「だからね」
「確かにご馳走だけれど」
　寿司はとだ、夫は妻に話した。
「けれど最高かな」
「私にとってはね」
「お寿司好きだよね」
「大好物よ」　
　やはり目をキラキラとさせて言った。
「子供の頃から」
「だから最高のご馳走って言うんだ」
「どんなお寿司も大好きで」
　そうであってというのだ。
「そのお店って高級寿司店よね」
「北新地のね」
「是非行きましょう、そして」　
　そのうえでというのだ。
「お腹一杯ね」
「お寿司食べるんだね」
「勿論音葉も一緒よ」
　小学二年生の自分達の娘も見て言った。
「一家三人でね」
「お寿司食べるんだね」
「食べ放題でね」　
　こう話してだった。
　一家で北新地の食べ放題をしている寿司屋に行ってみた、そして寿司屋の親父に食べ放題を注文してだった。
　一家で食べはじめるが果南は。
　最初に来た一人前の握りをぺろりと食べてだ、満面の笑顔で言った。
「鳥貝下さい」
「次はそちらですね」
「はい、あと鰯に秋刀魚に」
　青魚も言っていった。
「バッテラも」
「あっ、バッテラもですか」
　親父はこの注文に顔を明るくさせた。