オロクンの服
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第二章
「あの者は何時かな」
「こうしてですね」
「創造神に勝負を挑む」
「そうお考えでしたね」
「うむ」
その通りだというのだ。
「そうだった、そしてな」
「それで、ですね」
「この勝負どうするか」
「それはですね」
「受ける、そしてだ」
そのうえでというのだ。
「ここでだ」
「知恵を出されますか」
「そうされますか」
「この度は」
「そうして勝つ」
こう言ってだった。
創造神はオロクンの申し出を受けることにした、そしてだった。
神々の勝負がはじまった、オロクンはそれならと見事な服を多く用意してだった。勝負に備えた。そうしてだった。
勝負の日が来た、すると。
創造神は自分の従神の一柱であるカメレオンにだ、こう言った。
「ではだ」
「はい、今からですね」
「オロクンのところに行ってだ」
そうしてというのだ。
「これからな」
「ここにまでですね」
「呼んでだ」
そうしてというのだ。
「勝負をしよう」
「わかりました、それでは」
「ただしだ」
ここでだ、創造神は。
思わせぶりな笑みを浮かべてだ、カメレオンに話した。
「何故そなたを行かせるか」
「それこそがですね」
「余の知恵だ」
こう言うのだった。
「まさにな」
「左様ですね」
「ではな」
「はい、行って参ります」
カメレオンは恭しく応えた、そうしてだった。
彼はオロクンの宮殿に赴いた、オロクンも創造神の使者が来たと聞いてすぐに受けて彼と会ったが。
そこでだ、カメレオンが自分と同じ服を着ているのを見て驚いて言った。
「それはそなたの服か」
「はい」
カメレオンは海神に恭しい態度で答えた。
「左様です」
「何と、そうした余と同じ服とは」
「奇遇ですね」
「これはいかん」
オロクンは密かに周りの者達に囁いた。
「使者がこれならだ」
「オロクン様と同じ服なら」
「それならですね」
「創造神の服はだ」
カメレオンの主であるこの神のというのだ。
「それこそな」
「はい、それ以上ですね」
「使者でこうなら」
「創造神はこれ以上です」
「間違いなくです」
「だからな」
オロクンは周りに深刻な顔で言った。
「ここはより豪奢な服にだ」
「着替えられますね」
「そうされますね」
「この度は」
「そうしよう」
こう言って使者に待っている様に告げてだった。
より豪奢な服に着替えて使者の前に戻った、だが。
「何と、何時の間にかだ」
「着替えていますな」
「オロクン様と同じ服に」
「そうしています」
「着替えの速い奴だ、しかもまた余と同じ服とは」
海神は歯噛みして言った。
「どういうことだ、しかしな」
「それでもですね」
「さらに豪奢な服に着替えられますね」
「そうされますね」
「そうしよう」
こう言ってだった。
オロクンはまた着替えた、だが使者はこれまた彼と同じ服に着替えていた。それでまたオロクンも着替えたが。
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