烏と犬と猫の友情
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第二章
「それで」
「自然環境に影響はないし」
「サムも友達が出来たのなら」
「それでいいわね」
「うん、じゃあ僕達はね」
「彼等を見守る」
「そうしていこう」
「それではね」
夫婦で話してだった。
その烏、ダーリンと名付けた彼が家に来ても何もしないことにした。その彼は家に頻繁に来る様になったが。
「カァカァ」
「ワンワン」
サムとすっかり仲よしになりお互いの身体に付いたゴミを取り合い鬼ごっこをしたりして遊んでいた、そこにだった。
夫婦は雌の黒猫のジジを家族に迎えたが。
「ニャア」
「カァ」
「ワン」
今度は彼女を交えてだった、仲よく一緒に遊ぶ様になった。休日にそんな彼等を見てケイリーはフレデリックに言った。
「ジジとも仲よくなって」
「何よりだね」
「ええ、このままね」
夫に笑顔で言った。
「ずっと一緒にね」
「いて欲しいね」
「難しいことだけれどね」
妻はここでは少し残念そうに述べた。
「このことは」
「そうだね、やっぱりね」
「命のことはわからないから」
「それに野生だとね」
ダーリンを見てだ、夫は妻に話した。
「何かとあるからね」
「家にいるよりもね」
「まさに明日も知れないから」
「だからね」
それ故にとだ、妻も話した。
「ずっといて欲しいと思っても」
「明日もわからないよ」
「けれどね」
そうした現実があるがというのだ。
「出来る限りにね」
「二匹と一羽でね」
「一緒にいて欲しいわね」
「そうだね、じゃあ僕達は」
「その彼等をね」
「これから見守ろう」
「そうしましょう」
夫婦で二匹と一羽を見つつ話した、その目はこれ以上はないまでに温かいものだった。仲よく遊ぶ彼等を見るそれは。
烏と犬と猫の友情 完
2024・2・24
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