江戸っ子お洒落
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第二章
「一点豪華主義でいきました」
「それもお洒落なのよ」
美智代は言い切った。
「江戸っ子のね」
「お洒落ですか」
「一見地味でね」
そう見えてというのだ。
「実はね」
「一ついいのがありますね」
「そうよ、そうしたお洒落もね」
「お洒落のうちですね」
「そうなのよ」
こう言うのだった。
「これがね」
「ここ東京ですから」
「そうしたお洒落のことを聞いたのね」
「それでやってみました、それでこれからも」
「一点豪華主義でいくのね」
「江戸っ子のお洒落で。いいですよね」
「ええ、いいと思うわ」
美智代は百合に今度は優しい笑顔で話した。
「そうしていったらね」
「じゃあやっていきます」
「私は私でお洒落するしね」
「先輩は全体ですね」
「そうよ、この通りね」
ブランドのスーツを着たうえでの言葉である。
「私は全体よ」
「そのお洒落でいきますね」
「そうよ、お洒落といってもね」
「それぞれですね」
「一つじゃないのよ」
そのスタイルはというのだ。
「じゃああんたは江戸っ子ね」
「それでいきます」
笑顔で言う百合だった、そのお洒落はしていったが。
周りはあまり気付かなかった、だが美智代をはじめとしてわかる人はわかった。それで彼女をお洒落だと言うのだった。
江戸っ子お洒落 完
2024・2・22
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