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霧の向こうのハーレム

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ハーレム建設
  案内

「あそこが村長の家。昨日も行ったからもう説明はいいよね。」

 現在俺は鈴音の村案内を絶賛受講中だ。ちなみに今は村長宅前に居る。

「おお、遼ではないか。励んでおるか?」
「あ、村長。おはようございます。」

 村長が登場したがはて、励んでいるとは何のことか。もちろん解ってますよ?でもまだ1日目ですから。

「うむ。鈴音もご苦労。」
「はーい。」
「そうじゃ鈴音。我々の一員になったのじゃから、まず主人(ぬしと)様の所にお連れしなさい。」

 なんだろ?主人様って。

「そうですね。では、ご案内します。」
「ん?」

 背後から聞こえた鈴音ではない女声。しかもどこかで聞いたような。
 振り向いてみれば昨日村長宅で俺のことを遼さまと呼んだ少女だった。

「申し遅れました。わたくし、白河アヤメと申します。この村では薬師(くすし)をしています。」

 あそこは薄暗かったからよくわからなかったが、こうして明るいところで見るとかなりのナイスバディではないか。
 着物とも浴衣ともつかないよくわからない服装だが、その上からでもよくわかる程である。

「さ、参りましょう。」

 脇に出たアヤメに急に力強く手を引かれ俺はバランスを崩した。
 俺はアヤメの方向に体が傾き、アヤメに体当たり。効果は抜群だ!アヤメは倒れた。遼は何かやわらかいものを手に入れた。

「ん?」

 なんだ、このやわらかいものは?いったい何が起きた?

「あ、あの、遼さま?動か、ひゃっ!」

 なんだかよくわからないが顔がとても気持ちいい。ずっとこうしていたい。だからついつい顔を動かしてしまう。

「りょ、遼、さま・・・。」

 はぁ、気持ちいい・・・。

「あ、おはよー・・・ってあんた何してるのよ!ほらアヤメから離れなさいよ。」

 突然首根っこをつかまれて体が浮く感覚がする。なにか残念。そして苦しい。

「おや、理沙。どこから現れたんだい?」
「村長の後ろから。」
「そうかい。で、そろそろ放してやってはどうかな?」
「え?なんで?」

 く、首が・・・。

「理沙、遼の首掴んでる。」
「あ・・・。」

 あれ、なんだろ、川が見えるぜ・・・。

「放してあげて!早く!」
「そうです、私は大丈夫ですから。」
「う、うん。てぃや!」
「ぬああああ、ぐふっ。」

 な、なんだってんだぁ?てか俺、空が見えたぞ!

「理沙、なんで投げたの?」
「何となく。」
「何となくで投げますか?」

 すかさず突っ込む。ホントなんで投げた。ああ痛い。てか誰?

「アヤメを襲っていたから。」
「襲っていた?」

 アヤメを見る。胸を押さえているし、少し赤いような・・・もしかして俺、やっちゃた?俺ってラッキースケベ持ち?
 いやそうじゃないでしょ、俺。まず何するんだ?謝るんだろ。

「えっと、ごめん。」
「いえ、そんな。謝らないでください。わたくしが強く引きすぎたせいですから。」
「アヤメは謝らなくてもいいのよ。すぐに離れなかったこいつが悪いんだから。」
「遼さまはそんな方では・・・。」
「えっと、君誰?」

 おそらく俺を投げたであろう人に問う。見たところ巫女服のようなものを着ているが。

「私?あんたに名乗るような名前なんてないわ。」
「これちゃんと名乗らんか。おぬしもあの場に居たのなら覚悟はあるじゃろ?」
「え、君もいたの?」
「居たわよ。・・・理沙。氷室理沙よ。主人様の巫女やってる。」

 氷室理沙。やはり服装通り巫女だったか。けど巫女装束にしては露出が多すぎる気がするが、結構ムシムシしているしこれくらいがいいのだろうな。

「とりあえず役者はそろったな。主人(ぬしと)様の所に行って参れ。」
「役者?」
「そうじゃ。他の者はすでに自分の仕事に行っておる。残っているのはここの3人だけじゃからな。アヤメ、お参りをしたらすぐに持ち場につくのじゃぞ?」
「はい。」
「うむ。ではな。」

 村長は踵を返して自宅に入って行った。

「さ、参りましょう。」
「仕方ないわね。案内するわ。」
「行こ、遼。」

 右手を鈴音に引かれ、左手をアヤメが引っ張る。理沙は先に行ってしまう。
 左右に違う人の手を握っていると人によって握り心地が全く違うことに気付かされる。鈴音は少し硬いし、アヤメは柔らかくコラーゲンたっぷりな感じだ。こんなに違うものなんだねぇ。いつか理沙の手も握れるかな。

「あそこが主人(ぬしと)神社よ。」

 そうこうしているうちに着いてしまった。 
 

 
後書き
遼のハーレムレベルが上がった。 
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