ハイスクールD×D イッセーと小猫のグルメサバイバル
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
アーシアがプロポーズ!?謎に満ちた悪魔ディオドラ登場!
128話 二学期開始です!新しい転入生と波乱の始まり!?
前書き
ソーナの夢が原作と若干変わっていますのでお願いします。
side;イッセー
長かった夏休みも終わり駒王学園も二学期が始まった、俺は仲間と共に学園に登校中だ。
「あっ、ルビーロット先輩おはようございます!髪の毛を金髪にしたんですか?」
「え、ええ……イメチェンしてみたの」
「凄くお似合いです!紅い髪もいいけど金髪も絵になりますね!」
「あはは、ありがとう……」
リアスさんが登校中に後輩に髪の色を変えた事を指摘されていた。
リアスさんは今SDモードを発動させている、ルネアスさん曰く日常生活でも安定して使えるようになれば自然と力に慣れてくるとのことらしい。
そしてルビーロットというのはリアスさんの新しい苗字だ。ルビーはおなじみ赤い宝石から、そしてロットは孫悟空さんのもう一つの名前である『カカロット』から貰ったらしい。
SDモードを使いこなせるようにあやかって名前の一部を借りたらしい、ルネサスさんも認めてくれたのでリアスさんはそう名乗るようにしたんだ。
因みにグレモリーからルビーロットに変わっても違和感なく皆がそう言うのは魔法で認識を変えているからだ。悪魔ってなんでもありだよな。
「よお松田、元浜、久しぶりだな。コレお土産のカレーな」
「久しぶりだなイッセー、お前のくれる土産美味いから楽しみだったんだ」
「有難く貰って置くぞ」
俺は久しぶりに会った松田と元浜にガツガツカレーの入った袋を渡した。クミンに無理を言って土産にさせてもらったんだ。
「お前らは夏休み何をして過ごしていたんだ?そういえば海に行くって言っていたよな?」
「まぁな。俺達はそこでナンパしたんだけど全然駄目だったよ……」
「くそぉ……態々俺達の悪評が届いていなさそうな場所に遠出までしたのになんで……」
「まあドンマイだな」
俺は松田達に夏休みに何をしていたのか聞いてみたがナンパしていたのか、しかも成果はゼロ……次に頑張ってほしい物だ。
「やっほー兵藤。久しぶりねー」
「桐生か、アーシアも一緒にいたんだな」
「はい、桐生さんにお土産を渡していました」
すると桐生とアーシアがこっちに来て話に入ってきた。
「あんたとアーシアは夏休み何をしてたの?」
「俺とアーシアはオカルト研究部の皆と一緒に色んな所を行ったぞ。山登ったり砂漠歩いたり船に乗ったり海に行ったりしたな」
「えっ、世界旅行でもしてきたの?私も連れてって欲しかったなー」
「まあ機会があったらな」
桐生が羨ましそうにそう言うがG×Gのことは言えないんだよな、すまん。
「くそっ、イッセーは美少女たちと一緒に旅行してるのに俺達は男二人でかき氷を食う青春……不公平だろう、こんなの!」
「まああんたたちは今までの行いが悪かったってことで納得しなさい。それに私も一緒に行ったんだから野郎だけじゃないでしょう?」
「えっ、桐生は松田達と海に行ったのか?」
嘆く松田に桐生がニヤニヤしながらそう言うが俺は一緒に海に行ったということに驚いた。
「まあ暇だったしこいつらが振られるのを見てるのも面白そうだったからね。実際超ウケたわW」
「草を生やすな!性悪女め!」
「くそっ!くそぉっ!!なんで俺達は青春が出来ないんだ!隣のクラスの吉田は3年の先輩とキメたらしいし同じクラスの大場も一年の後輩と仲良くなったみたいなのに……!」
笑う桐生に元浜が噛みつき松田が他のクラスメイトは恋人が出来たのになぜ自分達は出来ないのかと嘆いていた。
因みに今話に上がった大場くんと偶然目が合ったが「君も仲間だね」といった感じでサムズアップして頷いてきた。
えっ、なんで仲間扱い?まさか俺と小猫ちゃん達の関係知ってるのか?なんか怖いんだけど!?
「そういえばアーシア、兵藤とは一線超えれたの?」
「は、はい。無事に結ばれました。桐生さんのアドバイスのお蔭で初めてでしたけど上手に出来ました……!」
「それは良かったわ。それで兵藤との一夜はどうだった?」
「えっと……まずお友達のゼノヴィアさんとイリナさんと一緒にイッセーさんのドラゴンさんを……」
「えっ、初めてで複数プレイ!?アーシア、やるわね……」
小声でアーシアと桐生が何かを話していたが騒ぐ松田達もいて聞こえなかった。なにを話しているんだ?
「おーい、お前ら席に着けよ」
すると担任の坂田先生が来たので俺達は席に戻った。
「早速だがこのクラスに転校生が来る事になった。良かったな、野郎ども。女子だぞ」
『ウォォォォォォォォッ!!』
坂田先生の発言に男子生徒たちが歓声をあげた。しかし転校生か、この時期に珍しいな。でもなんか嗅ぎ慣れた匂いがするな。
「じゃあ入ってどうぞー」
「失礼する」
「失礼しまーす!」
そして教室に青髪の女の子と栗色の髪の女の子……ってゼノヴィアとイリナじゃねえか!?
(どういうことだ!?俺は聞いていないぞ!?)
今朝ゼノヴィアとイリナに見送られてきたんだぞ、二人が転入するなんて話は聞いていないんだ。
俺はアーシアの方を振り向くが彼女も驚いた顔をしていた、ということはアーシアも知らなかったのか。
「そんじゃ自己紹介してくれ。俺はその間ジャンプ読んでるから」
「いや仕事しろよ、教師」
坂田先生にクラスメイトの新八君がツッコミを入れた。
「まずは私からだな。名前はゼノヴィア・クァルタ、外国育ちで日本の学園に通うのは初めてだが仲良くしてほしい。趣味は鍛錬と食事、体を動かす事が得意だ」
「次は私だね。名前は紫藤イリナ、日本の生まれだけど少し前まで外国にいたの。ゼノヴィアとは友達で彼女と同じく日本の学園に通うのは初めてだから仲良くしてほしいな」
驚く俺を尻目に二人は簡単な自己紹介をする。しかしゼノヴィアのクァルタっていう名字は何だ?確か名字は無かったんじゃなかったっけ?
「お、おいイッセー!あのイリナって子ってもしかして前に会ったお前の知り合いだよな?転入するなら教えて欲しかったぞ」
「すまん、俺も全然知らないんだ……マジで」
「そうなのか?」
以前イリナに会ったことのある元浜が声をかけてきたが俺も知らないんだよな……
「やったー!美少女が二人も来たぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
「このクラスで本当に良かったぁぁぁぁぁっ!!」
美少女が二人も転入してきた事に男子が騒ぎだした。でも俺は何か嫌な予感を直感で感じ取った。
「じゃあ取り合えず二人の席はそっちな」
「はーい」
「うむ」
坂田先生は俺の近くの席に指を刺した、なんか机増えてるなって思ったがこういう事か。
俺と目が合ったゼノヴィアとイリナがウインクしてくる、何も知らない近くの男子生徒が「俺にウインク!?」とときめいていた。
二人はニヤッと笑みを浮かべると俺の横に立った。
「お、おいどうしたんだ?そもそもお前ら転入するなんて話いつから……」
「イッセー君、立って」
「えっ?」
そう言われた俺は反射的に立ってしまった。するとゼノヴィアとイリナが両方から抱き着いてきた。
「私とゼノヴィアはイッセー君と婚約を前提にお付き合いしていまーす!」
「うん、そういう事だからよろしく頼むぞ」
「はっ?」
俺は突然の事に何もできなかった。少しの沈黙の後……
『はあああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?』
俺のクラスから窓が割れるかと思う程の大音量が鳴ったのだった……
―――――――――
――――――
―――
「お前らは何をやってるんだ!」
「うぅ……痛いよイッセー君」
「DVか?もう夫婦の仲が冷えたのか?」
「まだ結婚してないだろうが!」
放課後になって屋上に来た俺は騒動を起こした二人に拳骨をした。
「まったく……あの後大変だったんだぞ?嫉妬に駆られた男子生徒達に追い回されるわ、女子生徒からは『死ねよコイツ……』みたいな目で見られるわとな」
「あはは、あれは凄かったですね……」
俺のため息にアーシアが苦笑しながらそう話す。お陰様で男子から殺意の眼差しを、女子からは軽蔑の目を貰う羽目になった。
ただ何故か一年生の女子にはそこまで嫌われなかった、多分普段小猫ちゃんが俺の事を話しているからだと思う。むしろなんか応援してくれる子もいた。
「ごめんねイッセー君、私可愛いから男の子達に夢を見させる前にちゃんとイッセー君という運命の相手がいるって教えておきたかったの」
「随分と図太い発言だな、イリナ」
俺はえへっと笑うイリナにジト目でそう言った。まあ実際10人中10人は振り返る美少女だけど……
「すまないイッセー、私も少し舞い上がっていた。迷惑だったな……」
しょんぼりと子犬のように落ち込むゼノヴィア、あるわけないのに犬耳がぺたんとしているように見えた。
「……ったく」
「あっ……」
俺はゼノヴィアの頭を撫でながら抱きしめた。
「驚きはしたけど迷惑だなんて思っていないさ。お前を彼女にしたのは俺の意思だしな」
「イッセー……ありがとう」
ゼノヴィアは嬉しそうに俺の胸板に頬すりをしてきた。
「あー!ずるいずるい!イッセー君、私も撫でてー!」
「あ、あの……私もいいですか?」
「イリナは反省しろよ……アーシア、おいで」
俺はぶーぶーと文句を言うイリナと寂しそうに頭を差し出すアーシアも撫でた。
「それでいつから転入の話はあったんだ?」
「三大勢力が同盟を結んだ後に私達も駒王学園に入学しないかって話をミカエル様から持ち掛けられたの」
「ああ、どうせここに住んでいるなら学園に通ってもいいだろうと思ってその話を受けたんだ」
「なるほどな、でもなんで俺には話さなかったんだ?リアスさんは知ってるのか?」
「ううん知らないよ、サプライズにしたかったから内緒にしていたんだ。ビックリしたでしょ?」
「ああビックリしたよ……はぁ」
二人から説明を聞いた俺はリアスさんには話したのかと聞いたがしていないらしい。よくこの二人が隠し通せたなって逆に感心した、なんかポロっと言ってしまいそうなイメージがあったからだ。
「これからは私達も学生としてイッセー君達と一緒に生活していくからよろしくね」
「ああ、分からないことがあったら何でも聞いてくれ。英語は苦手だけどそれ以外は俺でも教えられるから」
俺はイリナとゼノヴィアにそう言った。もっとも外人であるゼノヴィアや外国の暮らしが長いイリナなら英語は話せるだろうけど。
「助かるよ、イッセー。私はあまりこういった教育を受けていないから正直不安な部分もあるんだ」
「そっか、なら猶更俺を頼ってくれよな。あっ、そういえばゼノヴィアって名字を付けたのか?」
「ああ、シスター・グリセルダと養子縁組をして名字を貰ったんだ」
「そうだったのか」
ゼノヴィアの姉的存在であるグリゼルダさんと養子縁組をしたのか。彼女とは夏休みの最初の方で一回会ったことがあるんだけど良い人だったよ、ゼノヴィアの事をお願いしますって頼まれたから学園生活でも助けてやらないとな。
ただ熱心な信者だからか勧誘が凄かったのがアレだけどな……
「まあいずれはお前の名字を貰うつもりだからあまり長くは付けていられないかもしれないな。ゼノヴィア・ヒョウドウ……うん、こっちも楽しみだ」
「気が早すぎるぞ……」
顔を赤くしながらそう言うゼノヴィアに俺まで恥ずかしくなって顔を赤くしてしまった。
「兵藤イリナ……えへへ、いいかも♡いっそ婿養子に来てもらって紫藤一誠もアリかな?」
「アーシア・ヒョウドウ……良いなぁ、早くそうなりたいなぁ……♡」
イリナとアーシアが何かを想像していやんと体を揺らしていた。なにを想像しているんだ。
「コホンッ、まあさっきも言ったが分からないことがあったらなんでも聞いてくれよな」
「うん、分かったよ」
とにかくこうしてゼノヴィアとイリナが駒王学園に通う事になったんだ。新しい仲間も増えて学校が賑やかになりそうだな。
因みに帰ってオカルト研究部の皆にこのことを話したら大層驚いていたよ、そりゃそうだよな。
―――――――――
――――――
―――
それから3日ほどが立ったが二人は駒王学園に早くもなじんでいた。元々好奇心旺盛で積極的なゼノヴィアと人当たりが良く明るいイリナは直に人気者になっていったんだ。
まあ半面俺の評価は結構下がったけどな。やはりこの二人に好意を向けられているからだろう。
四六時中俺にくっ付こうとしたり何かあったら直に寄ってきて甘えてくるんだ、そりゃ男子生徒は面白くないだろうし女子生徒は女をはべらかすクズにしか見えないからな。
まあ今更だし別にいいさ、正直優越感も感じてるし。
前に「お前なんかに小猫ちゃん達は相応しくない」だの「全員を脅すなんて最低だ、俺が小猫ちゃん達を解放して見せる!」と好き放題言われたので、ちょっとイラっとして学園に来れない黒歌を除いた俺の恋人達を抱き寄せて男子生徒達に見せつけてやったら皆発狂してたぞ、その後追いかけっこになったけど。
そんな二人だが部活は料理研究部に入る予定らしい、転入生は暫くは部活に入れないからな。
俺は「部活くらい好きにやればいいんじゃないか?」と二人に行ったが「美味しい物が食べられるから」と言われて納得した。
まあ流石に食ってばかりはアレなので少しくらいは二人にも料理が出来るようになってもらわないとな。まずは紫色の物体を作ってしまうのを止めさせよう。
「それじゃ体育祭に誰が出るか決めて行くわよ~」
今日の最後の授業が終わり帰りの会で桐生が体育祭について話しを切り出した。そういえばもうそんな時期だったな。
「イッセーさん、私と二人三脚に出ませんか?」
「アーシア?急にどうしたんだ?」
「えっとイッセーさんと何かを達成して見たかったんです。迷惑ですか……?」
「迷惑なわけがないだろう、急に話をされたから驚いただけさ。一緒にやろう」
「はい……!」
アーシアに二人三脚に一緒に出ようと言われて一瞬驚いたが直ぐに了承した。
「桐生、俺とアーシアで二人三脚に……」
「待て兵藤!これ以上お前に好き勝手されてたまるか!」
「そうだ!アーシアちゃんは俺と二人三脚に出るんだ!」
「いや俺だ!」
すると他の男子生徒たちがそう言って反対してきた。
「面倒くさいわねぇ、ならリレーでもして勝った人がアーシアと二人三脚に出なさいよ。アーシアもそれでいい?」
「はい、イッセーさんが勝つって信じていますので」
「お熱いわね~」
アーシアの相手はリレーで決める事になった。結果?俺の勝ちだよ。流石に本気を出したら全員の目に映らないでゴールしてしまうので認識できる速度で走ったぞ。
「おい、兵藤の奴一周を8秒くらいで回ってるんだけど……本当に人間なのか?」
「くそぉ……恨めしいぞ……!」
背後から凄まじい嫉妬を感じる、気にしないようにしよう……
「とりあえずアーシア、二人三脚のペアは俺になったからよろしくな」
「はい、お願いしますね。イッセーさん」
こうして俺とアーシアは二人三脚に出る事になった。なので早速練習に入ったんだけど……
「見事に身長差があるな……」
「こうしてみるとやっぱりイッセーさんって大きいですね」
「アーシアも成長したけどな」
並んでみてわかるが身長差が凄いな。俺はまた背が伸びて190㎝に突入した、アーシアもG×Gで栄養のある食事を続けたからか成長して162㎝になったがそれでも差が凄い。
因みに小猫ちゃんも成長して今は157㎝になっている、胸もちょっとだけ出てきたしそのうち仙術を使わないでもナイスバディになれそうだ。
逆にギャスパー、アイツは全く成長しない。G×Gの栄養豊富な食材を食べてあれだけ動いているのに寧ろ細くなってないか?力は上がっているのに……謎だ。
「いっちに、いっちに……」
「いいぞアーシア、その調子だ。俺が合わせるから気にしないで前に進んでくれ」
「はい……!」
最初は大丈夫かと思ったが割と何とかなりそうだ、俺がアーシアの動きに合わせているのもあるが彼女も無意識に俺の動きに合わせてくれるので動きやすい。
「勝負よ、ゼノヴィア!」
「望むところだ、イリナ!」
イリナとゼノヴィアはリレーで競争していた。力は抑えとけよと言ったのに熱くなって全力になってるじゃないか、全く……
「よお兄貴、久しぶりだな」
「おお、匙じゃないか。久しぶりだな」
アーシアが飲み物を買いに行ったので待ってると生徒会の匙が俺に声をかけてきた、こうして会うのは久しぶりだな。
「兄貴はアーシアさんと二人三脚に出るのか?俺は違う種目だから勝負は出来なさそうだな」
「ははっ、そうなってたら面白かったんだけどな」
どうやら匙は違う種目に出るらしいな。
「そういえば匙、ソーナ会長はだいじょうぶか?なんかリアスさんから聞いたけど今ピリついてるんだって?」
「あ~……実はそうなんだ。前に若手悪魔が集まる会合があったんだけどそこで悪魔の上層部に自身の夢を全否定された挙句笑われてさ、それで焦っちゃってるんだと思う」
「ソーナ会長の夢?」
「ああ、会長は冥界に学校を建てたいんだ、それも一般の下級悪魔が通える学校を」
「下級悪魔が?」
匙にソーナ会長の事について聞いたらやはり良い状態ではないようだ。すると匙がソーナ会長の夢について話しをし出した。
「兄貴は冥界の教育がどうなっているか知ってるか?」
「いや知らないな」
「冥界では基本的に貴族しか教育を受けられないんだ。一般の下級悪魔は最低限の読み書きを教わって上から与えられた仕事を延々とこなす事しかできない、自分で違う事をしようとしても知識が無いからできないし上に上がるチャンスもない……転生悪魔と違って出世も出来ないんだ」
「なるほどな……」
転生悪魔は上級悪魔の転移の駒でなるのでレーティグゲームに参加できるし力を示しやすい、それによって中級や上級にもなれるらしい。
だが一般の悪魔は下級として生まれたら基本的に下級のままのようで上に昇給することは滅多にないみたいだ。
「会長は本当に優しい人でさ、下級悪魔にも寄り添って色々考えてくれているんだ。だから下級の悪魔でも上に上がるチャンスをつかめる為にまずは知識を得て学ぶことが大事だって話していた」
「確かに知識があれば出来ることは増えるからな」
「あとレーティングゲームに特化した科も作りたいって話してた。もし下級の悪魔でもレーティングゲームに参加できるようになったら力を示せるしもしかしたら下級から魔王になんて夢も広がるじゃないか!」
匙はまるで夢を語る子供のように生き生きとして話を続けていく。
「でもそういうのって上が嫌がったりしないのか?例えば悪魔の上層部とか……」
「ああ、まさにその通りでこの前の会合で会長が夢を語ったら上層部の奴らにボロクソに言われたんだ……会長、歯をくいしばって耐えてたんだ」
さっきまでの生き生きとした顔が嘘のように沈んでしまった。やはり何か言われたのか。
「上層部の奴らは会長をあざ笑いながら『下級に知識など必要ない』だの『小娘は夢を見がちだ』だの言いやがったんだ。俺、つい我慢が出来なくて言い返しちまったんだけど一瞥されたよ。『下級悪魔がでしゃばるな』って……会長も教育がなっていないって言われて……俺、情けなさすぎだよな……」
「匙……」
匙は悔しそうに呟き涙を流した。
「匙、お前はソーナ会長の事が好きなんだな」
「うえッ!?あ、兄貴急に何を言い出すんだ!?」
「隠すなって。そんな目を輝かせて会長の話をしてる奴が好意を隠せてると思ってるのか?」
「うぅ……」
俺の指摘に匙は顔を真っ赤にして縮こまってしまった。
「匙、お前は間違いなく強くなるよ。好きな女の子の為に強くなりたいと思ったり自分の弱さに悔し涙を流せる奴は絶対に強くなる、俺が保証する」
「兄貴……」
俺は匙の肩を軽く叩きながらそう言った。恋愛に関しては俺は完全に受け身だったからな、小猫ちゃんがすっげぇ押し込んでくる子だったから自覚したが、そうじゃなければ恋愛に目覚めることは無かったと思うんだ。
好きな女の為に努力する匙を俺は尊敬するよ。
「へへっ……なんか気分が軽くなったぜ。兄貴、話を聞いてくれてありがとうな」
「ああ、これからもいつでも相談に乗るぞ」
「応っ!」
匙はそう言うと明るい笑みを浮かべて生徒会の仕事に戻っていった。
「しかしソーナ会長も苦労しているんだな、リアスさんも気にしていたし俺も今度時間が空いたら顔くらいは見に行ってみるか……」
俺はそう思いながら戻ってきたアーシアと合流して練習を再開するのだった。
その後倉庫に道具をしまいにいったらゼノヴィアとイリナに連れ込まれて襲われてしまいアーシアも便乗して大変な事になってしまったがその話はしたくないので割愛する。何でいつの間にか人払いの魔法を覚えているんだ、アーシアは……
後書き
アザゼルだ。イッセーの奴俺のこと忘れてないか?一応俺も教師として就任したってのに一切触れてねぇじゃねえか。これでもイケおじって女子生徒に評価されてるのによ。
まあいい、次回予告だな。次回はなんかハンバーガーを食いに危険地帯に行くことになったらしいぜ。どうして態々そんな危ない場所に店を構えるのか理解できねぇな。
次回第129話『絶品バーガーを食べに行こう!まさかの出会いに遭遇します!?』で会おうな。
次回も美味しくいただきます……なんかハズいなコレ。
ページ上へ戻る