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イベリス

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第百三十一話 吹っ切れてその五

「何でもな」
「そうですか」
「そしてな」 
 そのうえでというのだ。
「楽しんでくれよ」
「そうします」
「それでな」 
 マスターはさらに話した。
「ゆっくりしていってくれよ」
「このお店で」
「これからもな、喫茶店はお茶とかコーヒー飲んでな」 
 そうしてというのだ。
「くつろいだり誰か待ったり休憩したりな」
「する場所ですね」
「だからな」
 それでというのだ。
「ゆっくりな」
「していていいんですね」
「そうだよ、喫茶店の中で急げなんてな」
「誰も言わないですね」
「ゆっくりするところなんだよ」
 こう咲に話した。
「だからな」
「私もですね」
「これからもな」 
 是非というのだ。
「ゆっくりとな」
「していいですね」
「ああ」
 実際にというのだ。
「していいよ」
「そうですか」
「そしてな」
 そのうえでというのだ。
「東京にいる間な」
「通っていいですね」
「そうしてくれよ」
「それじゃあ」
「それでな」
 マスターはさらに話した。
「嬢ちゃんこれからもな」
「これからも?」
「何かとあるさ、けれどな」
 それでもというのだ。
「明るくな」
「生きていくんですね」
「そしてな」
 そのうえでというのだ。
「幸せに過ごしなよ」
「人生を」
「今の青春時代だけじゃなくてな」
「それからもですね」
「ずっとな」
 それこそというのだ。
「幸せにな」
「生きるんですね」
「そうしてくれよ、それで就職して結婚してな」
 そしてというのだ。
「家庭を持ってもな」
「幸せにですね」
「過ごしてくれよ、色々とあっても」
「幸せにですね」
「人生長いけれどな」 
 それでもというのだ。
「その長い人生をな」
「幸せに過ごして」
「最後は笑顔でだよ」
「死ぬんですね」
「人は死ぬよ」
「誰でも」
「それで死ぬ時にな」
 まさにその時にというのだ。 
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