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イベリス

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第百三十話 最高のカードその六

「やはり」
「人生についてもか」
「はい、それでは十枚置かせてもらいましたので」
 ケルト十字の形でだ、彼は今そうした。そうして言うのだった。
「カードを裏返していきますね」
「お願いします」
 咲も答えてだった。
 速水にカードそこにある自分の人生を占ってもらった、まずは一枚目のカードが出たがそれはというと。
「死神の正ですね」
「再生ですね」
「はい」 
 速水は咲に答えた。
「そうです」
「再生ですか」
「今小山さんは何かあって」
「そうですね、再生といいますと」 
 昨夜から今朝までの愛とのことを思い出してだ、咲も答えた。
「そうなります」
「そうですか」
「再生ですか」
「今の小山さんは」
「そうした時期ですね」
「はい、そして」 
 それでというのだ。
「二枚目ですが」
「次はですね」
「障害や援助になります」
 そちらにというのだ。
「それを出しますが」
「次は」
 そのカードはというと。
 星の正だ、速水はそのカードを見て今度はこう言った。
「これは障害ではなく援助ですね」
「その意味ですか」
「はい、星の正が援助とは」
 それはというのだ。
「非常に素晴らしいです」
「希望とかですね」
「小山さんには常に希望かそれを持つ人がです」
「いてくれて」
「そして助けてくれます」
「そうですね」
 マスターに両親そして特にだった。
 今は愛のことを思い出してだ、咲は頷いた。
「私にはそうした人達がいてくれて」
「希望もですね」
「ありますね」
「そうなります、そして」
 速水は次はだった。
 三枚目を裏返した、今度のカードはというと。
 女教皇の正だった、速水はそのカードについても話した。
「三枚目は顕在意識ですが」
「女教皇の正となりますと」
「知性です、小山さんは知性がです」
「出ていますか」
「意識、考えにも」
「そうですか」
「いいことです、確かにです」
 速水は咲を見て微笑んで話した。
「小山さんは知性がおありで」
「ヲタクでもですか」
「そちらもまた知性です」
 そうなるというのだ。
「ですから」
「それで、ですか」
「女教皇の正です」
「そうですか」
「そして四枚目は潜在意識ですが」
 またカードをめくった、今度は。
 女帝の正だった、それを見て速水はまた言った。 
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