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イベリス

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第百三十話 最高のカードその一

                第百三十話  最高のカード
 咲は愛と共に都内の駅巡りで三つ程巡った、それが終わってから愛の方から咲に対して言ってきた。
「もうそろそろでしょ」
「アルバイトの時間ね」
「そうでしょ」
「ええ」
 咲はその通りだと頷いて答えた。
「そろそろね」
「だったらね」
「渋谷に行って」
「頑張って来てね」
「そうするわね」
「絶対に大丈夫よ」
 愛は咲に笑顔でこうも言った。
「今の咲ちゃんはね」
「そうなったのね」
「そうよ、だからね」
 それでというのだ。
「頑張って来てね」
「アルバイトを」
「そうしてきてね、私もね」
 愛自身もというのだ。
「これからね」
「アルバイト?」
「そうなの」
 これに行くというのだ。
「実はね」
「アイスクリーム屋さんに」
「最近お店評判になってるのよ」
 愛は笑ってこうも話した。
「これがね」
「そうなの」
「だからね」
 それ故にというのだ。
「働き甲斐がね」
「あるの」
「そうなの、閑古鳥が鳴いているよりも」
 それよりもというのだ。
「むしろね」
「忙しい方がいいのね」
「やりがいがあるからね」
 だからだというのだ。
「いいのよ」
「そうなのね」
「咲ちゃんのアルバイトは受付と雑用よね」
「受付の時は座ってるだけだけれど」
 それでもとだ、咲は愛に答えた。今二人で駅に向かっている途中で横に並んでそのうえで歩いている。
「雑用というかお掃除とかお茶淹れたりでね」
「結構動くの」
「これがね」
「忙しいのね」
「それなりにね」
 こう愛に答えた。
「考えてみたら」
「それはいいことよ、充実してるでしょ」
「ええ」
 愛にその通りだと答えた。
「アルバイトの方も」
「それはいいことよ、忙しくて定時までなら」
「いいのね」
「これが残業ばかりだと」
「あと早朝出勤ばかりとか」
「そうだとね」
 この場合はというと。
「ブラックだから」
「ブラックはよくないわね」
「これはね」
 どうしてもというのだ。 
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