X ーthe another storyー
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第四十七話 慕情その二
「今回は」
「ええ、この都庁の中でね」
「待機ですね」
「そうしてもらうわ」
「わかりました」
「何かあればね」
その時はとだ、庚は封真にも話した。
「行ってもらうわ」
「草薙さんと哪吒を助ける為に」
「是非ね」
「安心して下さい、僕達は負けません」
哪吒はここで確かな声で言ってきた。
「ですから」
「それでか」
「封真さんは今はです」
「この都庁でか」
「ゆっくりして下さい」
こうも言うのだった。
「そして僕達が帰ったら」
「その時はか」
「美味しいものを食べましょう」
「そうね、ブイヤベースがいいわね」
庚は微笑んで料理のことに言及した。
「それとサラダね」
「ブイヤベースですか」
「それに生ハムも用意するから」
こちらもというのだ。
「楽しみにしていてね」
「ああ、そうさせてもらうな」
「是非共」
草薙と哪吒は微笑んで応えた。
「じゃあ帰ったら」
「皆で楽しもうな」
「そうしましょう」
こう言ってだった。
庚は二人を送り出した、そして天の龍の方もだった。
丁は征一狼と護刃に対して厳かな声で告げていた。
「これよりです」
「はい、出陣ですね」
「私達が」
「場所は靖国神社です」
戦場となる場所の話もした。
「そちらに行ってもらいます」
「わかりました」
「そうさせてもらいます」
二人は微笑んで答えた。
「それじゃあ今から」
「行ってきます」
「勝って帰ってもらいたいですが」
それでもとだ、丁は二人にこうも告げた。
「何よりもです」
「生きる」
「そうすることですね」
「はい、くれぐれもです」
「命をですね」
「大切にすることですね」
「そうして下さい」
こう言うのだった。
「お願いします」
「はい、姫様がそう言われるなら」
護刃は確かな声と顔で答えた。
「必ず」
「そのことをお願いします」
「そうしてきます」
「では行きましょう」
征一狼は護刃に優しい顔を向けて促した。
「これから」
「はい、そしてですね」
「戦いましょう」
「そしてですね」
「姫様の言われる通りです」
「生きることですね」
「護刃さんもこれから何かとしたいことがありますね」
「はい」
確かな声でだ、護刃は答えた。
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