わんねー あいつに責任とってもらう だけど好きになっただけヤ
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春休みになって、紳おじちゃんが約束通り、島に連れてってくれるというので・・泉希とすみれちやんも誘っていたのだ。そして、何故か道弘も来ることになった。沖縄まで飛行機に乗って、船で島に渡った。
卒業式の時には、最後に私は不忍先生に
「ありがとうございました。こんな出来の悪い生徒を見守っていただきまして みゅうみゅんは先生のこと忘れないよ」と、取ってつけたような言葉を言ったら
「いや 楽しかったよ 水島さんみたいな子は そんなに居ないから こっちこそ ありがとう 中学に行っても頑張れよ それと、喧嘩もするなよ」と、珍しく涙ぐんでいたみたいだったけど、最後に笑顔を見せてくれた。
「わぁー きれい きれい! 海の水ってこんなにきれいなんだ ほらっ あっちなんて緑色かって思ったら青いんだものなー」と、さっきから道弘がはしゃいであっちにいったり来たりして動き廻っていた。
「道弘 そんなに動いて 落ちるぞー」と、注意したら
「あほっ そんなにドジちゃうわー 落ちても みゅうみゅんが助けてくれるんやろー?」
「あほかーぁ 知らん!」
島に降り立つと、まわぁまんまーと碧広が出迎えに来ていた。碧広とは一年ぶりなんだ
「碧広 おおきぃーなったな もう 泣いたりしてへんかぁー?」
「うっさい! ねえね 言葉 変」
「うっ 関西弁やー ねえね もなー」
そして、民宿「力丸」に案内されて、力丸の旗がなびいていた。おばぁちゃんが出てきて、みんなを出迎えてくれた。ここの民宿のオーナーなんだけど、今は、実質、お母さんが切り盛りしている。そして、好意でここの敷地内に水島家の家を建てさせてもらっているのだ。
まだ、夕陽には間に合うので、おばぁちゃんが用意してくれていた自転車で西側の海岸まで皆で見に行こうとしたんだけど、すみれちゃんは意外と自転車に乗ったことが無いと言うので、道弘の後ろに乗っかって行くことになった。途中、峠を一つこえるのだけど、そこで、道弘はヒィヒィ言いながら
「すみれ もう ちょっと痩せろよなぁー 俺には キツイぃー」
「なんヤン 頼りないなぁー ほらっ もうちょっとヤン 道弘ぉー」
あのふたり 最近、いい雰囲気になってきているのだ。
沈むまでは、まだ、少し時間があったけど、海に反射してキラキラと照らしてきていた。
「まぁ きれい! こんなの初めてー」と、泉希も感動していて、ヘェヘェ言いながら、到着した道弘も・・・。
ここは、おとんがまわぁまんまーにプローポースした特別の場所だと聞いたことがあった。私も何度か来ているけど、そりやー女の子も落ちるよなぁー。だって、ここに来るまでに期待して覚悟もしてるんだものーと思っていた。
夕陽が沈んだのを見届けて、民宿に帰ってきたら、おとんも帰って居て
「義兄さん 久しぶりです 実海がお世話になっていてすみません 今日は、珍しくクロマグロとアオダイを分けてもらったので用意しました。うまいですよ」と
「おお モトシ君 元気そうじゃぁないか 楽しみだな 刺身かい?」
「もちろん 飲みましょうよ 久々に」
おとんたちの酒盛りは続いていたけど、私達は舟盛りの食事の後、お庭で花火をしていて道弘も碧広と遊んでくれていて、優しいあいつの違った一面も見ていたのだ。それで、碧広も懐いてしまって、ウチのお風呂に入って、民宿のほうには帰ってこなかった。でも、私達3人は気を使わなくて、女の子だけで騒いでいたのだ。
「なぁ すみれ 道弘と夜の海岸 散歩しといでよ ロマンチックやでー ここは 安全やしー」
「いややー そんなん」
「うん 行っといでよー 道弘 呼んできたろか?」と、泉希ちゃんも勧めていたけど
「あかんって 絶対にアカン だって なに 話したらええんかー」
「そんなん 黙って 手 繋いで歩くだけでええんちゃう? そしたら、あいつも チュウしてくるかも知れへんでー」
「もう ええってー」と、結局、女の子3人で出掛けたのだ。
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