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新オズの臆病ライオン

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第二幕その五

「それ位すぐだよ」
「そんなに速いと思いませんでしたが」
「そんなに速いんですね」
「この飛行機は」
「音速の何倍もの速さで飛べますか」
「正直驚きました」
「昔はなかったよ」
 魔法使いはこうもお話しました。
「飛行機自体がね」
「あっ、そうでしたね」
「昔はそうでしたね」
「ドロシーさんが来られた頃は」
「気球はありましたけれど」
「飛行機はなかったですね」
「そうだったね、けれどね」
 それがというのです。
「どんどん進歩してね」
「ええ、プロペラの飛行機が出来て」
 ドロシーもにこりとして言います。
「そしてね」
「ジェット機も出来て」
「速度もね」
「どんどん速くなったよ」
「そうよね」
「私もお空からオズの国に来たしね」
 魔法使いはその時のことを懐かしむお顔で思い出しました。
「気球でね」
「それで帰ったわね」
「そうだったね」
「あの時は気球がね」
「お空を飛べるものでね」
「凄いって思ったわね」
「全くだね、それがね」
 ドロシーとさらにお話していきます。
「飛行船が出来てね」
「そして飛行機が出来たわね」
「それも羽根が二枚あるプロペラ機からね」
「羽根が一枚になって」
「エンジンも二つや四つのものも出て来て」
 そうなってというのです。
「ジェット機も出来て」
「どんどん速くなったわね」
「そうそう」
「外の世界もそうだけれど」
「オズの国でもね」
「何かです」
 神宝がここで言いました。
「オズの国は凄いと思っても」
「そこからさらにね」
「凄くなっていきますね」
「そうなのよね」
 ドロシーは神宝ににこりと笑って応えまいsた。
「オズの国って」
「そのことも素晴らしいですね」
「外の世界もそうでしょ、凄いと思っても」
「そこからさらにですね」
「凄くなるでしょ」
「そうですね、飛行機にしましても」
「どんどん凄くなってるわね」
「そうですね」
「これで最高と思っても」
 それでもというのです。
「上には上がよ」
「あるんですね」
「そうなのよ」
 これがというのです。
「世の中はね」
「オズの国だけじゃなくて」
「外の世界もね」
「そのことは同じですね」
「あと今の時点で不可能と思っても」
 こうも言ったドロシーでした。 
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