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ハッピークローバー

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第百一話 怪我をしないことその三

「お酒抜いてたよ」
「お酒入ったらすぐに抜けるしね」
 二日酔いの酒はというのだ、実際に二日酔いの酒は汗をかくと抜ける。だから入浴は非常にいいのだ。
「私もね」
「一ちゃんもそうしてたよね」
「あの時はね」
「お酒は飲むよ、けれど他に身体に悪いことは」
「してないのね」
「そうなんだ、煙草なんて未成年でも」
 このことを置いてもというのだ。
「吸わないよ」
「身体に悪いしね」
「明らかに。何がいいのか」
 達川は言葉に疑問符を入れて語った。
「俺にはわからないよ」
「私も。麻薬やシンナーだってね」
「シンナーやる人まだいるのかな」
「いるみたいよ」
 これがというのだ。
「それでね」
「身体壊すんだな」
「あれもかなりね」
「身体に悪いんだよな」
「幾ら気持ちがよくなっても」
 それでもというのだ。
「あんなのやるなんてね」
「馬鹿だよ」
「そうよね」
「車の中でそのシンナーか何か吸って」
 達川はさらに話した。
「その後煙草吸おうとして」
「どうなったの?」
「ほら、煙草吸うと火を使うよね」 
 達川は一華にこのことを話した。
「マッチなりライターなり」
「シンナー引火したの」
「気化したのにね」
「それで車の中だと」
「そう、わかるよね」
「爆発するでしょ」
 一華は顔を顰めさせて言った。
「それで前身火達磨よ」
「本当にそうなって両手両足なくなったそうだよ」
「火傷で」
「もうどうにもならくなって。片目も髪の毛も」
「火傷でなくなって」
「動けなくなったそうだよ」
「自業自得だけれど酷いわね」
 一華はここまで聞いて顔を顰めさせた。
「それはまた」
「元々どうしようもない不良で悪いことばかりしていて」
「そんなこともして」
「そうなったらしいよ、それで色々された人が病院に来て」
 入院している時にというのだ。
「ざま見ろって言って来る位だったそうだよ」
「総統日頃の行い悪かったのね」
「そうみたいだよ」
 達川も否定しなかった。
「それでね」
「そんな風になって」
「家族のお世話になって生きるしかなくなって」
「今も暮らしてるの?」
「何か生きること自体が辛くなって」 
 達川はまた答えた。
「そんな状態でも夜中お家出て」
「出られたの」
「みたいだよ、それで這って川まで行って」
「飛び込んでなの」
「そうみたいだよ」
「また言うけれど自業自得でも」 
 一華はまたこう言った。
「考えさせられるわね」
「そうだよね、このお話聞いて」
「それでなの」
「俺絶対にシンナーはしないってね」
 その様にというのだ。 
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