オズのカリフ王
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第十一幕その五
「よい」
「そうなのね」
「幾らでも飲める、そこにな」
「この歌と舞があって」
「何かじゃ」
うっとりとして言うのでした。
「夢でも見ているかの様な」
「それが夢じゃないのよ」
「現実であるな」
「そうよ」
「そうじゃな、そもそもオズの国ではな」
ノーム王はさらに言いました。
「現実と夢はな」
「どちらも楽しくてね」
「悪いことはな」
「ないでしょ」
「同じ位楽しくてな」
夢も現実もというのだ。
「実にじゃ」
「違いがないわね」
「そうであるな、だからな」
「寝てもよね」
「何も心配なくな」
そうしてというのです。
「楽しめる」
「それもオズの国なのよね」
「そうじゃな」
「オズの国にいたら」
トロットは茶碗蒸しを食べながら言いました。
「もう悪いことはね」
「しようとは思わないのう」
「そうでしょ」
「うむ」
その通りだとです、ノーム王も答えました。
「全くな」
「満足しているとね」
「それで幸せならな」
「悪いことはね」
「しようとは思わん」
「そうなるわよね」
「全くじゃ」
その通りだというのです。
「誰もな」
「だから今はね」
「わし等ノームもじゃな」
「それで他のね」
「オズの国の内外でじゃな」
「よくないことを思っていた人達も」
誰もがというのです。
「皆ね」
「満足に思ってな」
「幸せになったからね」
それでというのです。
「あのウグさんでもね」
「そうなってな」
「もうね」
「悪いことをする者はいなくなったわ」
「オズマがそうした政治をしているからね」
「そうじゃな、ならわしもな」
ノーム王は鱚の天麩羅をおつゆに漬けて食べてです。
そうしてです、こうトロットに言いました。
「オズマ姫の様にな」
「いい政治をしていくのね」
「これまでもそう心掛けてきたが」
「これからも」
「そうじゃ」
まさにというのです。
「心掛けてな」
「それで実際にしていって」
「ノームの誰もをな」
「幸せにして」
「満足させる」
「そうするのね」
「まずは美味いものを飲んで食って」
そうなる様にしてというのです。
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