オズのカリフ王
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第九幕その八
一緒にティータイムを楽しみました、それが終わってから皆でまたお城の中を案内してもらい巡りますが。
塔と塔をつないでいる石造りのアーチを歩いてです、ノーム王は青いお空と白い雲を見つつしみじみとして言いました。
「まさにのう」
「天空のお城におる」
「それが実感出来るのう」
「そうであるな」
ドワーフ王もしみじみとして言います。
「こうした場所を歩くと」
「そう思えるな」
「地下にはない」
「空ならではのものじゃ」
「空中庭園もあるしのう」
「天空の城とは実によいわ」
「これもまたオズの国よね」
つぎはぎ娘も言ってきました。
「そうなのよね、ただね」
「ただ?どうしたのじゃ」
「あんた達落ちたらとかは考えないのね」
つぎはぎ娘はノーム王に尋ねました。
「そうなのね」
「このアーチからか」
「そして島からね」
「実は私はじめて来た時そのことも考えたの」
トロットが言ってきました。
「若しかしたらって」
「そうなのよね、あんた達って」
「外の世界から来た人はね」
トロットはつぎはぎ娘に答えました。
「そう思ってしまうの」
「どうしてもね」
「そう、お空にいると」
「浮島から落ちないか」
「端にいたらね」
「それは私もだったし」
トロットはここでジョージ達五人にお顔を向けて彼等に尋ねました。
「貴方達もよね」
「実は」
まずはジョージが答えました。
「最初に来た時そうでした」
「とても素敵な場所ですが」
それでもと言うナターシャでした。
「若しかしてって思いました」
「落ちないか」
神宝も言います。
「そう思って怖くなりました」
「素敵な場所でも」
それでもと言う恵梨香でした。
「そのことが怖くなりました」
「それで落ちたら」
カルロスはそうなった時のことをお話しました。
「どうなるかって」
「それが落ちないのじゃ」
こう答えたのはノーム王でした。
「これがな」
「ノーム王はご存知なんですね」
「オズの国のこのことを」
「浮島から落ちることはない」
「雲の上にも乗れて」
「浮島も雲も端から出ても」
「そこで浮かんでかつそこからは行けずな」
それでというのです。
「戻れるのじゃ」
「そうですよね」
「オズの国はそうした時もお伽の国で」
「ちゃんと守ってもらえますね」
「そうなんですね」
「そうなのじゃよ、落ちることはじゃ」
それはというのです。
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