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博士の挑戦状

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第八十二話

                 第八十二話  先生の読書
 今田先生は食事の後は読書に励んだ、自分の書斎に入って本を読んでいるがその中でこんなことを言った。
「読書はいいわね」
「左様ですね」
「読めば心が落ち着きです」
「知識や教養が得られます」
「素晴らしいものです」
「そうよ、ただ読んで」
 そしてとだ、先生は読みつつ答えた。
「知識を得てね」
「それを教養として」
「さらに人生の糧とする」
「そうせねばなりませんね」
「読書は」
「幾ら本を読んでも」
 そうしてもというのだ。
「知識を得てその知識をふんぞり返るだけではね」
「何の意味もないですね」
「その様では」
「そうよ、それこそね」
 まさにというのだ。
「何の意味もないわ」
「だからですね」
「ご主人様も読まれ」
「そのうえで、ですね」
「ええ、得た知識をね」
 それをというのだ。
「教養に変えてね」
「人生の糧にもされていますね」
「常に」
「そうされていますね」
「そうなる様にしてね」 
 そしてというのだ。
「やっていっているつもりよ」
「読書は自己満足でなく、ですね」
「それをどう活かすか」
「それが大事ですね」
「自己満足で終わるなら」
 幾ら本を読んでもというのだ。
「一体何の意味があるのか」
「全くですね」
「ご主人様の言われる通りです」
「それでは読む意味がありません」
「それも全く」
「そうよ、だからね」
 それでというのだ。
「私はそうしたことを意識して読んでいくわ」
「畏まりました」
「ではお読み下さい」
「これからも」
 使い魔達も応えた、そうしてだった。
 彼等は主の読書をサポートした、先生はそのサポートお茶を持って来たり読みたい本を持って来てくれる彼等に感謝の言葉を言いつつ読んでいった。


第八十二話   完


                 2023・7・23 
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