オズのカリフ王
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第七幕その十
「そうですね」
「昔からでな」
「それで今もです」
「いやいや、酒を飲まずしては」
今度は飄々とした感じでアジア系のお顔に青い目で長いお髭それに髪の毛の中に白いものが混じっている人が言ってきました。着ている服は白いです。
「何も出来ませんぞ」
「流石李白殿わかっているな」
張飛さんはその人のお名前を言って笑顔で応えました。
「いや本当にな」
「左様、わしは飲んでこそ」
「詩が書ける」
「それこそ飲めば飲むだけ」
そうすればというのです。
「詩が詠めるので」
「それで、ですな」
「実によく」
それでというのです。
「今もこうしてです」
「飲んでいますな」
「そうしています」
「ではだ」
天帝さんは李白さんに言いました。
「これよりな」
「はい、詩をですな」
「一つ詠んでくれるか」
「それでは」
早速でした。
李白さんは筆と墨をいただくとさらさらとです。
漢詩を一つ書きました、そしてそれを詠みますが。
とても美味しいお茶を飲んでいたポリクロームは目を丸くさせて言いました。
「これはね」
「うむ、漢詩はあまり触れておらぬが」
「実によいのう」
ノーム王とドワーフ王も感銘を受けています。
「これはまた」
「実に素晴らしい詩じゃ」
「これが李白殿の詩か」
「これまたよいのう」
「お褒めに預かり嬉しい限り、それでは」
李白さんは二人の王様に応えて言いました。
「他の詩も詠わせてもらうか」
「他のというと」
「漢詩以外のものを」
「何と、貴殿漢詩以外も詠えるのか」
「外の世界にいた時は漢詩のみであったのが」
それはとです、ノーム王に応えてお話しました。
「今では英語の詩も詠むし和歌もな」
「詠うのか」
「そうなっていて」
それでというのです。
「楽しんでいる次第」
「そうなのか」
「いや、飲めば飲む程」
まさにと言う李白さんでした。
「わしは詩を詠めまする」
「凄いのう、酔いどれ詩人ということか」
「そういえば他にもそうした詩人がいたぞ」
ドワーフ王はノーム王に言ってきました。
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