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X ーthe another storyー

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第三十七話 退院その六

「そうさせてもらうよ」
「それではね」
「そしてね」
「戦いが終わったら」
「角膜を移植してもらって」
 そうしてとうのだ。
「また見え様になるよ」
「そうしてね」
「その時も楽しみだ、絶対にだ」
 神威がまた言って来た。
「そうなる為にもな」
「僕をだね」
「そして皆がな」
「生き残れる様にしてくれるんだね」
「俺はな。そうだ」
 神威はパエリアを前にしてこうも言った。
「戦いが終わったら皆でハイキングに行かないか」
「ハイキングに?」
「そうだ、そして戦いが終わって皆が生きていることをだ」
 小鳥に微笑んで話した。
「喜ぶんだ」
「ハイキングをして」
「そうしよう」
「いいわね。ただ東京だと」
 この街だと、とだ。小鳥は神威に話した。
「ハイキングをしても」
「ピクニックか」
「行く山がないから」 
 東京にというのだ。
「公園とかに行ってね」
「そこでピクニックか」
「そうなるわ」
 こう言うのだった。
「するとなると」
「それならだ」
 神威は小鳥のその指摘を受けてこう返した。
「ピクニックにするか」
「戦いが終わったら」
「そうしてだ」
 そのうえでというのだ。
「一緒にな」
「皆で楽しむのね」
「封真も入れてな」
 彼のことはこの時も忘れていなかった。
「そうしてな」
「いいわね。それじゃあね」
「戦いが終わったらピクニックだ」
「皆でね」
 小鳥も笑顔で応えた。
「そうしようね」
「必ずな」
「まだ戦いはこれからだけれど」 
 玳透も言ってきた。
「それでもね」
「絶対にな」
「ここにいる皆でだね」
「ピクニックだ、それにだ」
「それに?」
「一ついい場所を知っている」
 神威は玳透に話した。
「大きないい木があるんだ」
「その木を見てだね」
「そしてだ」
 そのうえでというのだ。
「ピクニックをな」
「するんだね」
「そうだ」
 こう言うのだった。
「そうしよう」
「神威がそう言うならね」
「当然お前もな」
「僕もだね」
「丁を護ってくれているな」
 玳透のこのことを言うのだった。 
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