| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

夢幻水滸伝

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第三百十三話 シカゴの医師その三

「多くの街や村が独自勢力となり」
「対立していますか」
「それで治安も悪化しまして」
 州全体のそれがというのだ。
「賊もモンスターも増えて」
「そうしたこともあり」
「それで、です」 
 それが為にというのだ。
「民は苦しんでいます」
「ではですね」 
 ルイスは市長の話を聞いて言った。
「私はまずはイリノイ州をですね」
「救ってくれますか、ひいてはです」
 市長はルイスにさらに話した。
「アメリカもです」
「救うのですね」
「そうして頂けますか」
「私に出来るか、いや」
 ルイスは自分の言葉について考えた、そしてすぐに言った。
「やります」
「まずはやってみることですね」
「出来ない、無理と言って諦めるのではなく」
「やらずして」
「まずは全力でやってみることです」
「左様ですね」
「人を嘲笑してお前には無理だと言っていた輩が将来どうなったか」 
 ルイスは自分の知っている話をした。
「起きた世界の日本の話ですが」
「どうなったのですか」
「刺青をしているとあらゆる場所から忌避される国で」
 多くの店で入店を断られたり就職にもかなりの支障をきたす。
「露骨に見える手首に刺青を入れる様な」
「それはあきらかにまともな人ではないですね」
「そうなっていたというお話もあります」
「人に嘲笑してそう言うなら」
「先は知れたものです」
 まともな輩になっていないということだ。
「私はそうしたお話も知っていますし」
「人を嘲笑されないですね」
「そうしたレベルに堕ちたくないので」
「それで、ですね」
「出来ないと諦めるより」
 それよりもというのだ。
「まずは全力で、です」
「それを行われますか」
「そうします、ではです」
「イリノイ州をですね」
「治めます」
 そうするというのだ。
「そして平和な州にします」
「そうして頂けますね」
「必ず」
 このことを約束するのだった。
「そうさせて頂きます」
「では宜しくお願いします」
「はい、これより」
「では旗揚げされますか」 
 市長は決意を述べたルイスに提案した。
「そうされますか」
「旗揚げですか」
「勢力を。拠点はです」
「このシカゴですね」
「拠点にするには最適の街かと」
 ルイスに真顔で述べた。
「この街は」
「繁栄しておりまた場所もいい」
「そうです、ですから」
 そうした条件が揃っているからだというのだ。
「最適だと思いますが」
「そうですね」
 ルイスも確かな声で頷いた。
「拠点にするにはです」
「シカゴですね」
「この街以外にありません」
「それでは」
「今より旗揚げをさせて頂きます」
 宣言もした。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧