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おぢばにおかえり

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第七十六話 次の日も会ってその三

「新一君から来て」
「そうですよね」
「呼んでないけれどね」
 それでもです。
「私は」
「詰所に来てますからね、僕が」
「休日もね。というか用ないじゃない」
 そもそもです。
「それでどうして来るのよ」
「用ならありますよ」
「何それ」
「僕達はわかってるからね」
 また詰所の人が言ってきました。
「皆ね」
「皆さんですか?」
「うん、そうだよ」
 その通りだというのです。
「皆ね」
「そうなんですか」
「もう奥華でも知らない人少ないんじゃないかな」
「奥華全体で、ですか?」
「阿波野君も知られてきてるしね」
 このこともあってというのです。
「千里ちゃんはもう奥華の娘さんだからね」
「私もなんですね」
「そうだよ、だから阿波野君は大切にしてあげてね。それで阿波野君も」
 今度は新一君に笑顔で言いました。
「千里ちゃんを守ってあげてね」
「そうさせてもらいます、僕喧嘩は弱いですが」
 新一君はそれでもと言いました。
「先輩を連れて逃げます」
「喧嘩出来なくてもだね」
「逃げることは出来ますから」
 だからだというのです。
「そうした時はです」
「私と一緒になの」
「その時は手を離さないで下さいね」 
 新一君は私にも言いました。
「そうして下さいね」
「それではね」
 私もこのことには頷きました。 
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