ソードアート・オンライン~神話と勇者と聖剣と~
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SAO:アインクラッド~神話の勇者と獣の王者~
聖騎士、異常存在、黒の剣士、神話剣
「久しぶりだね、キリト君」
ギルド、《血盟騎士団》団長、ヒースクリフは言った。
奴こそ、この世でおそらく最初のユニークスキル、《神聖剣》の使い手だった。
驚異的なまでの戦闘センスと、圧倒的防御力。《聖騎士》《最強の盾》《生きる伝説》など、その異名は片手の指では数えきれない。
普段は攻略に口出しなどしない奴が、なぜか今回に限ってアスナの休暇を拒否。キリトとのデュエルを望んできた。
「君とこうやって話すのは、本当に久しぶりだ」
「最後に話したのは、67層の攻略会議だったと思いますが……」
自然と敬語になってしまう。ヒースクリフも苦笑して言った。
「あれは本当につらい戦いだった。我々も危うく犠牲者を出すところだったね。セモン君やハザード君、そして君がいたから勝てたのだ。最強ギルドなどと呼ばれている血盟騎士団も、戦力は常にギリギリだよ……」
ヒースクリフはそこで表情を険しくした。
「だが君は、我がギルドの貴重な戦力を奪おうというのだ。キリト君。ほしければ剣で・・・《二刀流》で奪うがいい。君が勝てば、アスナ君を連れて行くがいい。だが、負けたら君が血盟騎士団に入るのだ。」
「団長!私は別にギルドをやめたいと言っているわけではありません!ただ、少しギルドを離れて、いろいろ、見てみたいんです」
アスナが食い下がる。しかしキリトはアスナを制すると、言い放った。
「いいでしょう。その勝負、受けて立ちます」
するとヒースクリフは微笑を浮かべ、言った。
「そうか。君とは一度戦ってみたかったのだよ。楽しみだ……」
すると、ヒースクリフは今度はセモンに顔を向けた。
「そう、セモン君。君にもお客さんだ」
「……何?」
「はいりたまえ」
ヒースクリフがキリト達の入ってきたドアに向かって叫ぶ。
ドアを開けて、入ってきたのは・・・
「やあ、キリト君。セモン」
「!!!」
「シャノン……!!」
オレンジがかった髪の毛に、ひきつった顔。
《異常存在》、シャノン。
「セモン君と彼にもデュエルをしてもらおうと思ってね。なに、負けても心配はいらない。血盟騎士団には入らなくていいよ」
セモンはシャノンを睨み付けると、言い放った。
「いいだろう……勝負だ!!!お前が殺した全ての人に償ってもらうぞ!!」
シャノンはあはははは!と笑うと、
「いいねぇ!いいねぇ!それでこそ僕の親友だよ!!じゃあ、デュエルの日を待っているよ」
と言い放ち、出て行った。ヒースクリフは俺達に向き直ると、
「ではデュエルは明日の午後。75層主街区コリニア市のコロッセオにて行う」
*
「神聖剣とキリトがデュエル!?それにセモンは……シャノンと……?」
「ああ、そうだ」
驚愕の声を上げるコハクに、セモンは答える。
「やめなさい!!あいつは異常よ!!なんで……」
「やらなくちゃいけないんだ」
そう答えると、セモンはそのままエギルの店を出て行こうとした。
「おい、どこ行くんだ」
キリトが聞くと、セモンは厳しい表情で言った。
「準備だ。シャノンは、何の準備もなしに勝てる相手じゃない」
セモンは行ってしまった。コハクが、心底心配そうな表情をしていた。
*
「あはははは!ほんっと傑作だったよセモンは。相変わらず面白い奴だね」
「君も十分変な奴だと俺は思うけど」
「失礼な。僕は――――変人だよ。生粋のね。あはははははは!!」
「ねぇねぇ、試合、私たちも見に行っていいの?」
「殺し合い!殺し合い!みたい!みたい!」
「う~ん……残念ながら殺し合いではないけどね。見に来ていいよ!キリト君が地に這いつくばり、セモンが膝をつくその瞬間をしかとその目に焼き付けるがいいさ!!」
「わーい!カガミ君!!行きましょ行きましょ!」
「行こう!行こう!今すぐ準備だ!!」
「気が早いって!!……シャノン、殺すのか?」
「ん~?まさか。セモンは僕の親友だよ?さすがにそんなことしないよ。う~ん……まあ、半殺しにはするけどね」
「半殺しだ!半殺しだ!!」
「半殺しかぁ……やりすぎじゃない?シャノン」
「何言ってるのよカガミ君!いっつも君ったら甘いんだからぁ。だけどそんなところも大好きよ!」
「あ、ありがと……」
「相変わらず仲がいいね君たち。……まぁ、半殺しにするのは、あのバカにはちょうどいいかもしれないね。無鉄砲は自分を殺すだけだ、と教えてやるいい機会だ」
*
「セモン」
「ハザード」
セモンが町中を歩いていると、ハザードが声をかけてきた。
「お前、今までどこに――――」
「シャノンとデュエルすることになったんだって?」
「……ああ」
「あいつは生ぬるい相手じゃない。気をつけろ」
「自分が一番わかってる。――――完全な対策を打たないと」
後書き
書き直し終了!
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