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星河の覇皇

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第八十四部第三章 円明園の会議その二十三

「絶対にだ」
「あくまで日本にどうかと言う」
「日本に勝ったか負けたかだ」
「国益もそこにあると思っている」
「日本との勝敗のみ見ている」
「だがそれは違うというのに」
「韓国の国益ではないのだ」
 日本に対して勝つことがそれではとないとだ、韓国の外交官達は困った顔になってそのうえで言うばかりだった。
「それをわかって欲しい」
「くれぐれも」
「だがそれをだ」
「誰もわからない」
「わかる人はいても支持されない」
 韓国国内でそうだというのだ。
「日本はどうかではない」
「韓国は韓国だ」
「今回もそうだ」
「韓国の国益を考えるとだ」
 どうかというのだった、ここで。
「やはりその動きはな」
「中央政府に対するべきだ」
「各国政府と共に」
「間違っても日本に対することではない」
「むしろ今日本は味方だ」
「中央政府に共に向かうべき同盟国だ」
「そうなっているが」
 それがというのだ。
「あくまで、だな」
「国民はイエスとは言わない」
「絶対にだ」
「中央政府が今の相手だというのに」
「その中央政府を見ていない」
「全く以て困ったことだ」
「中央政府こそが今の相手だというのに」
 日本への対抗心は彼等にもある、だが外交官として現場にいるのでそれでこう言うのだった。それも強く。
「日本政府でないというのに」
「それがわかっていない」
「ここで日本と反対の主張は無理だ」
「今各国政府は団結して中央政府に対しようとしている」
「勿論日本もだ」
「むしろその中心の一つだ」
「その日本に対するということは」
 それ即ちとだ、彼等は話した。
「各国政府と足並みを揃えずだ」
「その主張に反対するということだ」
「中央政府につくと言っていい」
「中央政府に今ついてもだ」
「それは間違いなく国益に反する」
「我が国の国益とはならない」
「それは執るべきでない」
 決してというのだ。
「そうなのだが」
「市民はわかっていない」
「とにかく日本しか見えていない」
「日本に対することしか頭にない」
「それが国益とさえ思っている程だ」
 日本に対してそして勝つ、そのことがというのだ。
「それでは意味がない」
「そうだというのに」
「それがわかっていない」
「どうすればいい」
「ここは絶対に各国政府につくべきだが」
「今ここにきていない国も様子見だけでだ」
「中央政府につこうという国はない」 
 趨勢が決するのを見ているのだ、こうした日和見と呼ばれる態度も国際情勢ではこの時代でも常であるのだ。 
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