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星河の覇皇

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第八十四部第三章 円明園の会議その十七

「ですから」
「江戸幕府よりですか」
「各国政府の権限は強いです」
 江戸幕府の藩よりもというのだ。
「そうした状況です、そして神聖ローマ帝国にも例えられますが」
「連合は」
「やはりその中に多くの国家が存在するので」
 それ故にというのだ。
「そうした国家と言われますが」
「あの国よりはですね」
「連合の結束は強いです」
 そうなっているというのだ。
「流石に」
「神聖ローマ帝国は」
 ロベルトも言った。
「最早、でしたね」
「国家として、でしたね」
「どうかという国でした」
「はい、特に三十年戦争の後は」
「その戦争の後でウェストファリア条約が結ばれ」
「事実上分裂しました」
 それぞれの国家にだ。
「そしてです」
「国家のまとまりがないままでしたね」
「神聖ローマ帝国という一つの国でも」
「最早違いました」
 三十年戦争後のこの国はとだ、ロベルトはさらに述べた。
「バイエルン、プロイセン、ザクセン等多くの領主がです」
「独立国になり」
「そしてですね」
「ドイツ帝国成立までです」
「分裂したままでした」
「ああなると」
 まさにとだ、伊東も言った。
「なりません」
「左様ですね」
「私は江戸幕府以上にです」
「中央政府の権限が強く」
「そして神聖ローマ程はです」
「各国政府の権限は強くない」
「そうした国家であるべきと考えていますが」
 それでもと言うのだった。
「ですが」
「今の連合の状況は、ですか」
「望ましくないとです」 
 その様にというのだ。
「思っているので」
「だからですか」
「この度は各国の権限を守る方にです」
「おられるのですね」
「左様です」
 まさにというのだ。
「そういうことです」
「それでスタンスはですね」
「しっかりしているつもりです」
「変節ではないと」
「あらゆる宗教に誓えます」
 連合が多宗教国家でもあるからの言葉だった、
「そのことは」
「そうですか」
「はい、それでです」
「日本としては」
「日本の国益を考えて」
 そしてというのだ。
「動いています」
「そういうことですね」
「国益に添えば中央政府につきますが」
 しかしというのだ。 
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