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ハッピークローバー

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第八十四話 映画を観てその六

「日本の幽霊は怖くないって」
「妖怪は楽しい存在だな」
「妖怪は私もそう思うわ」
 富美子もそれはと答えた。
「実際妖怪のアニメとか漫画だと」
「人を襲う妖怪はいてもな」
「愛嬌があってね」
「面白いな」
「妖怪ってイギリスとかじゃ妖精になるのよ」 
 実は両者は非常に近い関係にあるという、ただしそれぞれの国の文化や宗教の違いは影響している。
「確かね」
「そうらしいな」
「だったらね」
「妖怪も愛嬌があるな」
「妖精もだしね」
「むしろ妖怪の方がな」
 日本のとだ、越智は富美子に話した。
「愛嬌があるな」
「妖精って怖いのは凄いしね」
「イギリスから来た奴がそう言うな」
「どうもね」
 そうした妖精が実はいたりするのだ、人を好んで襲う様な。
「そうみたいだしね」
「そうだよな」
「日本の妖怪ってただ遊んでるだけとか」
「あと人を襲っても対処方法があったりな」
「そんな妖怪多いわよね」
「そうだからな」
「妖怪は怖くないわ」
 日本ではだ。
「それで怖いのはね」
「幽霊だな」
「そっちなのよね」
「日本の歴史でも出て来るしな」
 越智は眉を顰めさせて言った。
「幽霊は」
「怨霊ね」
「怨霊になるとな」
 日本ではだ。
「魔王にもなるからな」
「日本の魔王ってそうなのよね」
「そうだ、怨霊だ」
「人間が怨みを持って死んで」
「なるものでな」
「滅茶苦茶強くてね」
「しかも恐ろしい」
「それが怨霊でだ」
 そうしてというのだ。
「日本で最も怖い」
「映画でもね」
「漫画でもアニメでもな」
「何よりも怖いわね」
「そうだが」 
 それでもとだ、越智は言った。
「他の国の人達から見るとな」
「怨みを持つ相手にしか祟らないから」
「何が怖いってな」
「なるのよね」
「文化の違いだな」
 越智は考える顔で言った。
「それも」
「怖い対象が違うことも」
「それでフィンランドだとな」
「ホラー映画はああなるのね」
「そういうことだな、ただハッピーエンドになってな」 
 その映画はというのだ。
「よかったな」
「サンタさん達大人しくさせて世界中に輸出してね」
「世界にサンタさんを広めているな」
「何かと凄い映画だったけれど」
 それでもと、とだ。富美子は笑って話した。 
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