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魔法少女リリカルなのは〜転生者の誓い〜

作者:muuma001
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第四話・戦う魔法少女

「なのは!!」


ユーノ君の鋭い声、

緊急事態です。

私はみずなお兄ちゃんの事で一悶着あったあの後、

アリサちゃんと別れ、部屋で寝ていました。

しかしそんな時、突然ジュエルシードの魔力を感じたのです。


「うん、ユーノ君も感じた?」

「感じた、それも凄く近いよ」


ユーノ君と確認し合いレイジングハートを手に家を飛び出す。


「なのは!この方角、なのはのお父さんのお店の方角だよ!」

「うん…」


感じたジュエルシードの方角、

それは間違いなくお父さんのお店、翠屋から発せられていました。


「ごめんねユーノ君、近くにあったのに気づけなかった…」

「なのはが謝る事じゃないよ、…それに僕も気づけなかった」


そう言って悲痛そうな表情を見せるユーノ君。

違う、私の所為だ。私が今日はお休みなんて言ったから・・・

そう言おうと思ったが、言えなかった。

なぜなら


「なのは、上!!」


ユーノ君に言われて咄嗟に横に跳ぶ。

見ると今まで私がいたところには大きな穴が空いています。


「なのは、あいつだ!」


ユーノ君の指す方向に目線を向けるとそこには今まさに着地しようとしている白い鎧が居ました。

おそらく先ほど、私の真上から攻撃するため跳躍していたのでしょう。

また、その姿をよく見ると両手がありませんでした、

いや、無いと言うより何か装着していると言った方が適切なのかもしれません。

それは大砲。

でも、その姿は怖いというよりなんだか悲しそうに見えました。

何かを後悔している、そんな気がしました。

でも、深く考えている暇はありませんでした。

既に、銃口が私に向けられていたのです。

空気を引き裂く轟音と共に私に向かって砲撃が放たれます。

私はそれをプロテクションで防ぎますが、


「きゃあ!」


あっさりと破られてしまいました。


「なのは気をつけて、多分あのジュエルシードは人間を取り込んでる!」

「人が中にいるの!?」


最悪の事態です。

どうやらあのジュエルシードには人が取り込まれているみたいなのです。


「なのは安心して、攻撃しても中の人が傷つく事は無いはずだから…」

「そうなの?良かったぁ~」

「でも、安心もしていられないよ。取り込まれた人によるけど、間違いなく今までのジュエルシードより各段に強いッ」


ユーノ君が言い終わるかどうかという時には既に、私に向かって新たな砲撃が発射されていました。


「なのは!まともに相手にしちゃ駄目だ、避けて!!」

「分かった!」


急いで横に跳びます。

しかし、そこには既に二度目の砲撃が


「はぁっ!!」


咄嗟にプロテクションで防ぎます。

ありがたい事に、連続で放ったせいか先ほどより威力はありませんでした。


「なのは、このままじゃ駄目だ!僕がシールドで防いでる間に封印を!」

「やってみるの!」


再び鎧から砲撃が放たれました。


「止まれぇ!」


ユーノ君がシールドで砲撃を受け止めます。


「ここなのっ!!」


鎧の懐に潜り込み、封印しようとしました。

しかし


「うそ!?」

「そんな!?」


鎧は重そうなその見た目に反して一瞬でその場を跳び退いたのです。


「速すぎるッ」


ユーノ君が悔しそうに呟きます。

でも


「ユーノ君!」

「なに?なのは」

「私に考えがあるの、だから次の攻撃が来たら防がないで動きを止めて!」

「!?それじゃあなのはが…」

「私を信じて!ユーノ君!!」

「……分かった、なのはを信じる!」


これは一種の賭けです。

失敗すればただでは済まない。

でも、私には絶対失敗しないという自信がありました。


「出来るよね?レイジングハート」

「All right(大丈夫です!)」


相棒からの頼もしい言葉、

イメージするのは撃ち抜く力。

思いを力に。


「デバイスが変形した!?」


私の思いに合わせてレイジングハートが変形する。


「ユーノ君、動きを!」

「分かった!チェーン!!」


戸惑いながらもユーノ君が鎧をチェーンバインドで動きを止める。

鎧はすぐさま私たちに向かって砲撃を放つ。


「負けないッ、捕まえる!!」


私は、私の、思いを込めた魔法を放つ。


「撃ち抜けぇえええっ!!」


鎧の砲撃と私の砲撃がぶつかり合う。


「まだ、…まだなの!!」


魔法に力を込める。


「届けぇええええッ!!」


私の砲撃が、鎧の砲撃を打ち消す。

そのまま砲撃は鎧を呑み込む。


「凄い……っ!」


ユーノ君が私の魔法を見て感想を漏らす。


「It is natural ,There is none of the impossible(当たり前です、私たちに不可能はありません!)」


レイジングハートが誇らしげに言う。


「とりあえず、ジュエルシード回収しなきゃね」

「そ、そうだね、なのは」


若干ユーノ君が驚いたままだったけど

急いでジュエルシードを回収します。

いくら封印したとはいえ危険な事に変わりはないのです。

そうして、先ほど鎧の居た位置にまで歩を進めて、

ジュエルシードに取り込まれていた人の顔を見た時、



私は頭が真っ白になりました。


「え、な、なんで……?」


それは、よく知っている顔でした。


「お…おにい…ちゃん?」


一瞬、理解できませんでした。

・・・・・・いや、理解したくありませんでした。

・・・お兄ちゃんはピクリとも動きません。


「お、お兄ちゃん!みずなお兄ちゃん!!」


倒れているお兄ちゃんの肩を揺らします。


「んっ…ん…?なの…は…?」


お兄ちゃんが目を覚まします。


「お兄ちゃん大丈夫!?」


それだけで何だかとっても救われた気分です。


「なのはごめんな、心配させて…」

「ううん、私の所為だよ、お兄ちゃん…」


嫌な沈黙が流れる。

でも


「…なのは」

「ふぇ!?」


気付くとお兄ちゃんの手が私の頭を撫でてくれています。

やっぱり、お兄ちゃんにはかなわないや。


「それじゃ、なのは俺少し寝るから」


そういうとお兄ちゃんは私に寄りかかって来ました。


「お、お兄ちゃん!?」

「………」


どうやら本当に眠ちゃったみたいです。


「…なのは、ジュエルシードは?」

「ふ、ふぇ?ジュ、ジュエルシード?…あ、そうだった!?」


実はユーノ君の事も忘れていたのはナイショです。
 
 

 
後書き
次回から完全新話です。

頑張ります><

PS、プロローグ以外の前書きを消しました
次回から前書きは無い方向で行きます。


 
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