仮面ライダーBLACK RX〜ネオゴルゴムの陰謀〜
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11ライダー対大首領
ネオゴルゴムとの戦いを終え、人々の暮らしに平和が戻り、世界が落ち着きを取り戻していた頃、光太郎はいくつかの資料をまとめたファイルを見ていた。そこにある人物が現れる。
「ネオゴルゴムとかいうのと戦っていたみたいだな。調子はどうだ?」
「風見先輩!今丁度それについてまとめた資料を読んでいたんです。」
現れたのは仮面ライダーV3に変身する風見志郎だった。
「ネオゴルゴムの資料?」
「はい、俺の仲間が、俺達の戦いを参考にして資料にまとめてくれたんです。」
「そうか、いい仲間を持ったな。」
「はい。みんな、今は離れ離れですけど、俺の大切な人達です。それで、先輩はどうしてここに?」
光太郎は志郎に質問する。
「近頃、様々な悪の組織の残党が活動を再開しているという話を聞いてな。今、茂がブラックサタンの残党を追っているところだ。」
「城先輩もですか。」
「それだけじゃない。本郷さんも一文字さんもショッカーやその派生組織の壊滅のために世界中を飛んでいる。それに、光太郎もゴルゴムの残党と戦った。どうも、俺達がかつて戦ってきた悪の組織を利用している何者かが裏で糸を引いている気がしてならないんだ。」
志郎が語っていると、
「先輩、ここにいたんですか!」
「久しぶりだな、村雨。虹の蛇はどうだ?」
「心強い後輩達が協力してくれたので、片は付きました。」
仮面ライダーZXに変身する村雨良が現れ、活動結果を話す。そうしていると、突然晴天であった空は雲によって陰り、ホログラム映像によって頭部が肥大化した異形の怪人、呪博士が映し出される。
“人間共よ、我が名は呪博士。今から5時間後、この東京に怪人軍団を放つ。命が惜しければ、この日本を我らに明け渡すのだ。”
呪博士の映像は物々しいことを言い出す。
「怪人軍団だと!」
「兎に角、先輩達に連絡だ!」
驚く光太郎に対して、志郎は落ち着いて判断を下す。各々が連携して連絡を取ると、すぐに一文字が駆けつける。
「呪博士が現れたんだろう?SNSに映像が出回っていた。」
一文字は一般人が撮影したであろう呪博士の映像を見せる。
「ええ、なんの予兆もなく突然のことでした。」
志郎が話していると、次いで敬介も現れる。
「呪博士、地獄から戻ってくるとはな。」
「まさか、今度はGOD機関まで復活するとは。」
敬介の話を聞き村雨が警戒していると、続々とライダー変身者が集まり、この大東京に11人の仮面ライダーが集結した。そして、ついにそのときはやってくる。
“逃げずにいるとは愚かな。やれ、再生怪人軍団よ!”
ホログラム映像の呪博士の号令とともに雷が降り注ぎ、ショッカーからクライシス帝国までの悪の組織の怪人達が現れ、人々に襲いかかろうとする。
「待て!ここからは、我々仮面ライダーが相手だ!ライダー…変身!」
その間を本郷達は遮る。そして、本郷は仮面ライダー新1号に変身する。
「本郷、久しぶりの共闘だな。変身!」
一文字は仮面ライダー新2号へ変身する。
「変身…ブイスリー!」
風見も続くように仮面ライダーV3に変身する。
「ヤァーッ!」
結城は自前の特殊ヘルメットと強化スーツを纏い、ライダーマンに変身する。
「呪博士、今度こそ終わらせてやる。大変身!」
敬介はXライダーに変身する。
「アァァ…マァァ…ゾォォォーン!」
‘アーマーゾーン!’
大介は自身の声とギギの腕輪を共鳴させ、インカの超パワーを発現させてアマゾンライダーに変身する。
「ちっ、どっかで見たことある顔ぶれだな。変身、ストロンガー!」
城茂はコイル状になっている両腕をスパークさせてベルトのエレクトラーにエネルギーを送り、改造電気人間、仮面ライダーストロンガーに変身する。
「スカイ!変身!」
筑波洋は変身ベルト、トルネードを起動させてスカイライダーに変身する。
「行くぞ!変身!」
一也は赤心少林拳の構えによって変身ベルトのサイクロードを強制的に起動させ、惑星開発用改造人間、仮面ライダースーパー1に変身する。
「変身、ZX!」
村雨は仮面ライダーZXに変身する。
「変…身!」
光太郎はキングストーンと太陽エネルギーを活性化させ、仮面ライダーBLACK RXに変身する。
「みんな、行くぞ!」
1号の号令により、11人のライダー達は怪人軍団に向かってゆく。
「グオオオ!」
アポロガイストはXライダーにアポロショットで攻撃するが、
「ライドル風車返し!」
Xライダーはライドルスティックで弾を弾き、
「真空…地獄車!」
アポロガイストに飛びかかり、掴みあげると車輪が転がるように地面を転がり始める。
「ショオオ!」
それを見たクモナポレオンは敵を捕縛する拘束攻撃、蜘蛛の巣ジャングルを放つが、Xライダーはそれを華麗に躱し、
「お前も蘇っていたのか!」
回転しながらクモナポレオンに突進し、その威力で撃破すると足のバネを利用してアポロガイストを上空へ打ち上げる。
「トウ!Xキック!」
Xライダーは必殺のキックをアポロガイストに放ち撃破する。
「キョワァァ!」
死神バッファローは突進攻撃をするが、スーパー1は軽く躱し、
「チェンジ、エレキハンド!エレキ光線!」
電撃を放つ青いファイブハンド、エレキハンドに腕を切り替えて電気光線によって死神バッファローを撃破する。
「ザリガーナ、やはりお前もいるのか!」
ザリガーナは殺意を剥き出しにしながらライダーマンにハサミで攻撃をしようとするが、ライダーマンはパワーアームで受け止め、
「ドリルアーム!」
ザリガーナの甲殻がない腹部にドリルアームを突き刺し、ザリガーナを爆散させる。
「ムゥン!」
ジャークミドラはミドラー剣を荒々しく振り回しRXに攻撃を仕掛けるが、RXはそれを躱す。
「ジャーク将軍、再生怪人となってただの手駒にされるとは!リボルケイン!」
RXはリボルケインを引き抜き、大振りなジャークミドラの隙をつき、リボルクラッシュを放ってジャークミドラを撃破する。
「グァァァッ!」
サザングロスは自身の身を守る殻からナパーム弾をZXめがけて放ち、それらが命中すると激しい爆発が置き、煙が立ち込める。しかし、煙が晴れた先には傷一つついていないZXがいたのだ。
「お前が攻撃したのは残像だ!電磁ナイフ!」
ZXは電磁波を発生させるナイフを複数サザングロスに放ち、その身動きを封じる。
「トウ!ZXイナズマキック!」
ZXは必殺キックを放ち、サザングロスを撃破する。
「狼男、俺が相手だ!ライダーパンチ!」
2号は強力なパンチの連続攻撃で狼男を攻め立て、
「ライダーヘッドクラッシャー!」
凄まじい頭突きで狼男の内部の機械を粉砕し、撃破する。
「デッドライオン、どっかでくたばったと思っていたが、てめぇまだ生きていたんか!」
「馬鹿め!あの程度で死ぬ俺ではない!ブラックサタン復活のチャンスを待っていたのだ!くらえ、デッドハンド!」
「そんなもんくらうか!ストロンガーマグネット!」
ストロンガーは投げつけられた鉤爪を逆に吸い寄せ、高熱を発生させて鉤爪を熱する。
「おらっ、お返ししてやるぜ!よくもユリ子の偽者を用意しやがって!」
ストロンガーは鉤爪をデッドライオンに投げ返す。
「あっつ!くそっ、女ライダー共は強いし、作戦は失敗するし、なんて厄年だ!」
「お前が暴れている方が、よっぽど厄年だ。ストロンガー電キック!」
ストロンガーは電気エネルギーを最大限に高めたキックを放ち、デッドライオンを撃破する。
「死人コウモリか、厄介な相手だな。」
V3は空を舞う死人コウモリに苦戦をするが、
「今だ!V3残影パンチ!」
死人コウモリが仕掛けるタイミングでカウンターのパンチを放ち、撃破する。
「ハアッ!」
ゼロ大帝は素早い槍さばきを見せるが、アマゾンはそれらをすべて躱し、
「ジャガーショック!」
噛みつきで奇襲を仕掛け、ゼロ大帝を倒す。
「ショワー!」
ヤモリジンはヤモリ型の爆弾を投げスカイライダーを攻撃するが、スカイライダーは臆することなく近づき、
「スカイドリル!」
風をまとった強力なパンチを放ち、ヤモリジンの自爆装置を破壊し、
「スカイフライングソーサー!」
そのまま上空へ投げ飛ばし、爆散させる。
「ショッカーグリード、お前が相手とは。ライダーきりもみシュート!」
1号はショッカーグリードを掴み、上空へ投げ飛ばすとそのままジャンプし、
「ライダー返し!」
ショッカーグリードを地面へ叩きつける。そしてそのままキックの体勢に入る。
「ギュアアッ!」
ショッカーグリードは立ち上がり、エネルギー弾を連射するが、
「電光ライダーキック!」
1号はエネルギー弾をショッカーグリードに弾き返し、そのままキックによって撃破する。
「すげぇ…」
その光景を見ていた青年達は驚くことしかできなかった。
「呪博士、姿を見せたらどうだ!」
Xライダーは呪博士を呼び出そうとする。
“いいだろう。そして見るがいい、これこそが私の最高傑作、合体大首領だ!”
呪博士がそう言うと、上空からキングダークの体をベースに、骸骨恐竜の脚、ネオショッカー首領の尻尾、カイザーグロウの翼、フォッグマザーの両腕、ドラスのマリキュレイザーを備え、頭部はクライシス皇帝という悍ましい異形の巨大怪物、合体大首領が現れる。
「11ライダーよ、わざわざ集まってご苦労。だが、お前達の命も今日までだ!」
合体大首領はマリキュレイザーを放ち、街を破壊する。
「街を襲わせないようにしないと!セイリングジャンプ!」
スカイライダーは空を飛び合体大首領の背後に回るが、
「無駄なことだ!」
頭部の棘状の触手から放たれる電撃でスカイライダーは撃ち落とされる。
「これでもくらえ!」
合体大首領はキングダークの持つミサイル弾でライダー達を攻撃する。
「ストロンガーバリア!」
ストロンガーは半円状のバリアを展開して攻撃を防ぐが、すぐにバリアは破られライダー達はミサイルの爆撃で吹き飛ばされる。
「なんてつよさだ…」
爆撃で吹き飛ばされた11ライダーは立ち上がることすらできずにいた。すると、
「負けるな!」
「こんなことで倒れんじゃねえ!」
「俺達の知っているライダーはこんなことでやられたりしねえ!」
50代から60代と思われる男性達がライダー達に檄を飛ばす。
「出たよ、おっさん世代の根性論。そんなの言ったって、無理なもんは無理なんだよ。」
青年達はこの世の終わりとでも思うような声で言う。
「馬鹿野郎。ライダーは俺達のために戦ってくれているんだ。俺達がライダーを信じなくてどうする!」
「俺達の知っているライダーはな、敵がどれだけ強くても諦めない、どれだけ大勢で攻めてきても挫けない、どれだけでかくても決して負けないんだ!」
男性達の声を聞き、ライダー達は立ち上がろうとする。
「信じる…か。どうやら、随分と身体が鈍っていたみたいだな。」
V3は闘志を奮い立たせる。
「まずい!戦闘員、人間達を襲え!」
合体大首領の指示により、GOD機関の戦闘工作員が人々に襲いかかる。しかし、
「これでどうだ!」
「こんちくしょう、これでもくらえ!」
檄を飛ばしていた男性達は次々と戦闘員を倒してゆく。
「怪人に勝つなんて、おっさんは何者なんだよ!」
青年達は戸惑う。
「大したもんじゃねえよ。昔、ガキの頃に少年ライダー隊って名乗って無茶していた怖いもの知らずなだけだ。」
「あんたの頃は少年ライダー隊だったんだ。俺の頃はジュニアライダー隊だったぞ。」
「名前なんて大した問題じゃないだろ。」
そう、男性達はかつて様々な形でライダーの活動をサポートした勇気ある者たちだったのだ。
「みんな、頼もしくなったな。」
彼等の活躍を見たライダー達は再び合体大首領に立ち向かう。その時、スーパー1が放っていたレーダーミサイルが帰還してくる。
「みんな、情報が集まった。どうやら背中に入り口があるみたいだ。俺や村雨、南の3人は自力で侵入ができます。」
「それなら、先輩方、あれで行きましょう!」
スカイライダーの言葉を聞き、8人のライダーは肩を組み合う。
「スーパーセイリングジャンプ!」
スカイライダーは重力低減を極限まで行い、8人ライダーは空を飛ぶ。
「俺が侵入までの隙を作ります!」
RXはバイオライダーに変身し、囮になる。
「ありがとう!」
スーパー1は無限のジャンプ力で、ZXはジェット噴射で空を飛び、8人ライダーに続いて合体大首領の内部に侵入する。
「うまく行ったか!」
バイオライダーもゲル化して侵入し、11ライダーは合流する。
「キングダークがベースになっているなら、コントロールルームはこっちだ!」
Xライダーが先頭に立って内部を進んでゆき、ある部屋にたどり着く。
「おそらく、ここがコントロールルームだ!」
Xライダーが扉を開けると、大首領の本体である一つ目の巨大な脳髄の怪物、そして呪博士が揃っていた。
「久しぶりだな、仮面ライダー達よ!」
「大首領、お前達の悪業もここまでだ!」
11ライダーは肩を組む。
「ライダーシンドローム!」
ライダー達はエネルギーを収束させ、合体大首領の動力源を遮断する。
「おのれ、またしても私の邪魔をするのか!」
呪博士はXライダーを睨む。
「それが俺達の使命だからな!」
ライダー達は大首領の本体を囲む。
「こうなっては仕方がない。お前達全員道連れにしてやる!」
大首領の本体は大爆発を起こす。
「脱出するぞ!」
V3が先頭に立ちライダー達は合体大首領から脱出し、地面に着地すると、合体大首領は粉々に砕け散る。そして、ライダー達はそれぞれの決めポーズを取る。
「ありがとう!それでこそ俺達のライダーだ!」
男性達に見守られる中、ライダー達はバイクに乗って晴れた夕焼けの中を走り去ってゆく。
昭和時代を戦い抜いた仮面ライダー達は改造人間である。彼らは人として生きる幸せを奪われながらも、決して悲観することなく平和を脅かす悪の組織から人々を守り抜いた。これからも、様々な悪が手を変えしなを変え、我々の平和を脅かすだろう。だが、嘆くことはない。人々に正義の心がある限り、仮面ライダーは必ず君達の前に現れるだろう。
完
後書き
怪人図鑑
合体大首領
体長:30.5m
体重:8.7t
能力:巨体、様々な兵器、凄まじい悪の力
呪博士が開発した岩石大首領に替わる大首領の新たな肉体。様々な悪の組織の首領クラスの力を集結させた強大な力を発揮する。
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