サイコパスメイド
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第二章
「あんたがそれに相応しいってね」
「店長さんが思ってなのね」
「それで決まったのよ」
「それは店長さんから聞いたけれど」
「それでもなのね」
「素の私じゃないけれど」
こう言うのだった。
「外見がそうだから」
「そんな感じだからね」
「そういうことね」
「そう、だからね」
それでとだ、同僚は青空に話した。
「宜しくね」
「まあこれもお仕事だしね」
青空も納得しているというか納得せざるを得ない仕方ないといった顔で述べた。そしてさらに言うのだった。
「やっていくわ」
「頑張ってね」
「そうするわね」
見れば青空は今は眼帯をしていない、そして目はよく動く。一見眠そうであるがそれでも表情ははっきりとしかもよく出ていた。
そして店ではサイコパス系メイドであり。
「いいな」
「ああ、あのやる気のない感じがな」
「何もしないで何か言うとサイコパス」
「あのキャラクターがいいな」
「そうだよな」
客達はこう言うのだった、それで店長の森茂和明るい表情で茶髪のいささかホスト調で明るいというか軽い外見の彼も言った。
「好評で何よりだよ」
「私のサイコパスメイドはですか」
「こうした娘も必要なんだよ」
「あの、私の素とは」
青空は社長室で自分の席に座っている彼に話した。
「全く違いますが」
「いいんだよ、だってメイドさんも設定だから」
「設定ですか」
「明るいとかクールとかブリッコとかね」
そうしたというのだ。
「それぞれあるから」
「それで私はサイコパスですか」
「それでいこうと思ってね」
それでというのだ。
「決めたけれど」
「いいですか」
「僕の目に狂いはなかったよ、だからね」
「これからもですか」
「宜しくね」
「わかりました」
青空も頷いてだった。
そのうえでサイコパス系メイドを演じていった、それは好評でバイト代もよかったので頑張っていった。だが素の彼女は全く違う、それで客がいる場所以外の彼女はあくあまで素の彼女のままであった。
サイコパスメイド 完
2023・5・23
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