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星河の覇皇

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第八十三部第五章 謎の兵器の正体その四十一

「そうします」
「平安時代の公卿の様に」
「そうですね」 
 言われてみればとだ、八条は議員に気付いた顔になって言葉を返した、そうしてそのうえで彼に話した。
「藤原道長公も」
「乳製品を食べて」
「そこに蜂蜜をかけていたそうで」
「左様ですね」
「蘇にそうしていたといいますが」
「先程私達が食べた」
「醍醐も口にしていたでしょうし」
 それでというのだ。
「私達もです」
「道長公とですね」
「同じ楽しみを味わっていますね」
「今はですね」
「そうなりますね」
「そう思いますと」
 どうかとだ、八条は今は茶を飲んだ、流石に今は日本酒は飲んでいない。
「歴史を感じますね」
「そうですね、そうも思いつつ食べますと」
「感慨も湧きますね」
「左様ですね」
「それもまた」
「はい、そして」
 八条はさらに話した。
「道長公はパイナップルは」
「口にされていないですね」
「ほぼ確実に」
「そうですね」
「西瓜や苺もです」
 こうしたものもというのだ。
「果たして口にされていたか」
「わからないですね」
「そうですね、そこは」
「当時の日本にそうしたものがあったか」
「疑問ですね」
「どうも、ですから」
「我々はですね」
「今の楽しみも楽しんでいます」
 平安時代の楽しみと共にというのだ。
「そう考えると面白いですね」
「実に」
 二人でこう話しつつその料理も口にした、銀のスプーンが用意されていてそれで醍醐もパイナップル達も食べる。蜂蜜をかけたそれを。
 そうしてだ、議員はこう言った。
「醍醐もいいですね」
「美味しいですね」
「はい」
 八条にその通りだと答える。
「まさにヨーグルトです」
「そうですね」
「日本にも乳製品はある」
「そのことがわかりますね」
「匂いも」
 醍醐のそれもというのだ。
「これもです」
「ヨーグルトのものですね」
「まさに、それがです」
「よいとですね」
「面白い味です」
 こう八条に話した。
「そう思いました」
「口にされて」
「その様に、しかし」
「しかしとは」
「乳製品は日本にあったことは事実でも」 
 それでもというのだ。
「口にしているのはあくまで」
「貴族や将軍といったです」
「限られた人達だけでしたね」
「そうでした」
 実際にとだ、八条は答えた。 
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