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汚れる仕事だから清潔に

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第三章

「埃なんてな」
「大変だろ、遥ちゃん布団のシーツとかもよく洗ってな」
「干してるな」
「あれだってな」
 そうしていることもというのだ。
「喘息対策なんだよ」
「そうなんだな」
「布団にいるダニだってな」
 これもというのだ。
「喘息の元なんだよ」
「ああ、そうなんだな」
「だから万年床だとな」
 ずっと布団を干さずというのだ。
「かなりな」
「喘息に悪いんだな」
「本当に布団やベッドもな」
「清潔にしないと駄目か」
「洗って干して」
 そうしたことをしてというのだ。
「そうしていかないとな」
「喘息には悪いか」
「それなるらしいな」
「成程な、じゃあ俺も気を付けないとな」
「シーツとかのことでもだよな」
「本当に汚れてな」 
 そしてというのだ。
「埃もな」
「付くよな」
「そうした仕事だからな」
 このことは事実だからだというのだ。
「それじゃあな」
「うん、頼むよ」
「そうしていくよ、ただな」
「ただ?」
「いや、皆何かとあるものだな」
「喘息のことなんだ」
「ああ、俺だってな」
 今度は自分のことを話した。
「結構胃腸弱いしな」
「兄ちゃん結構腹下すしな」
「お前もアトピーだしな」
「皆何かとあるね」
「ああ、そうしたことも考えていかないとな」
「家族なら」
「もっと言えば家族でなくてもな」
 それでもというのだ。
「気遣わないとな」
「それが人間だよな」
「そうだよな」 
 こうしたことも話すのだった、そしてだった。 
 彼は義妹となった彼女のことを気遣って清潔にする様にした、すると喘息の症状を出すことはなかった。そして彼女とも親しく家族として暮らしていった。


汚れる仕事だから清潔に   完


                    2023・4・22 
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